2021年09月28日

【読書】藤田覚「光格天皇:自身を後にし天下万民を先とし」(ミネルヴァ日本評伝選)

こちらからの流れでw
姉妹ブログからコピペ。



ネルヴァの評伝シリーズはけっこういいお値段なのでおいそれとは買えませんが。というか大正天皇(https://amzn.to/2YUCF8S)くらいしか持ってませんが💦
藤田覚といえば「幕末の天皇(https://amzn.to/3uadgWD)」は面白かったし、一冊丸ごと光格天皇というのであれば、本書も読んでみたいなー、とは思うのです。。


光格天皇:自身を後にし天下万民を先とし (ミネルヴァ日本評伝選) 単行本 – 2018/7/11

二百年前の譲位の背景とは…朝幕関係の緊張、朝廷復古へ。

光格天皇(1771〜1840、在位1779〜1817) 第一一九代天皇。
傍流の閑院宮家から天皇となり、朝儀・神事の復古再興、御所の復古的造営に尽力した光格天皇。
幕府と時に対立しながらも、朝廷や御所の権威を高め、幕末から近代への出発点を切り開いた天皇の生涯を追う。

[副題の由来]自身を後にし天下万民を先とし
光格天皇は、寛政十一年に後桜町上皇に送った書状において、「仰せの通り何分自身を後にし、天下万民を先とし、
仁恵、誠信の心朝夕昼夜に忘却せざる時は、神も仏も御加護を垂れ給う事、誠に鏡に掛けて影をみるがごとくにて候」
と述べ、その君主意識を明らかにした(本書48〜49頁参照)。

[主な目次]
はじめに
第一章 十八世紀末、時代と光格天皇
第二章 天皇の朝廷主導と意識
第三章 朝儀の再興・復古
第四章 朝幕関係の緊張――尊号一件
第五章 光格天皇と芸能
第六章 上皇時代の光格
主要参考文献
おわりに
光格天皇略年譜
事項索引
人名索引
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
藤田/覚
1946年長野県生まれ。千葉大学文理学部卒、東北大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学史料編纂所教授、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授を経て、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


桃園天皇が1歳の内親王を残して崩御された後、後桜町上皇の後見を得て、閑院宮家から即位された光格天皇。
男系継承のルールや、血のスペアとしての宮家、「中継ぎ」としての女性天皇(※女系天皇に非ず)という文脈からも注目されますが、同時に、天明の大飢饉から~の御所千度参り。幕府の権威がガタ落ちし、シーソー原理で朝廷の権威が高まった御代でもありました。
前掲の https://amzn.to/3uadgWD によれば、幕府自身、政権の統制を回復・維持するために、朝廷の権威をかりる必要に迫られ、自縄自縛に陥っていった向きもあるとかないとか(天皇陛下はエライのであるからしてその一の家来の将軍もエライのだからイウコトを聞けー、とやればやるほど、幕府自身は朝廷に頭が上がらなくなっていく仕組み)。
いわゆる尊皇思想が復活再生された形ですが、やがてそれが孫の孝明天皇の御代に……となるまで近々数十年。
つまるところ幕末動乱のプレリュードといってもよい時代だったでしょうか。
Wikipedia:光格天皇
その天皇の本格的な評伝というのですから、んー。ナントカして古書価が下がってくれないものかしら、というところではあります←ビンボ人。


スタマーレビュー
5つ星のうち4.9
6 件のグローバル評価
星5つ…88%
星4つ…12%
それ以下は0%
202.9.26現在、6件中2件は「投票」のみ、「レビュー」は4件読めるようです。
件数少ないといえば少ないですが、このお値段のこのジャンル的には、十分というか、むしろ多いくらいかしら。


はともあれ、大好評。
今のところ高評価しかありません。
☆4も1件ありますが、
「「維新」のタネを撒いた改革派天皇」とのレビュー:Amazon
特に減点ポイントというほどのものはないようです?
あえてというなら、注目のポイントは、
著者の藤田氏は日本近世史の研究者だが皇室や天皇に関しては「精通していない」(前書きより)と自ら認めていて、一線を引いてクールで客観的な視点を一貫させているな、という印象を受けた。
でしょうか。
実態は知りませんが、外から見ていると、共産主義者にあらずんば学者にあらずみたいな時代が長く続いた(続いている)印象が強いアカデミズムの世界。
日本学術会議の研究 (WAC BUNKO 331) (日本語) 新書 – 2020/12/17
著者の思想信条は不明ですし、「精通していない」というのがどういうニュアンスなのか、警戒は常に必要かもしれません。
しかし、イデオロギーにとらわれて内容に余計なバイアスをかけたりしていない、「クールで客観的な視点を一貫」しえているというのが本当なら、まずは良しとすべきというところかと。


るはすべて☆5、
「高い理想と、それを実現するための現実との対峙」とのレビュー:Amazon
「上皇の意味、明治維新とは何かを知るための必読書」とのレビュー:Amazon
「優れた研究者の書かれる歴史書は知的好奇心を満たす」とのレビュー:Amazon
などなど、当然ですが、大好評。
内容が良いので「価格はあまり気にならなかった(https://amzn.to/3zB362g)」というのは耳に痛いですが💦
実際、かなり盛りだくさんな内容のようで……
わりと既知の内容が多そうでもありますが、一方で、イデオロギッシュな著者であれば避けて通りそうなエピソードなどもしっかり収録されているとかナントカ。
光格天皇といえば、竹田恒泰氏の著作にもある通り、飢饉で苦しむ民衆のために幕府にお救い米の放出を迫り実現させた名君ですが、その後焼失した京都御所再建の際、平安の古式復古を掲げ幕府に要求したところ、時の老中松平定信に「多額の費用を使うと、その分幕府のみならず諸大名に負担をさせざるを得ず、結果的に庶民を窮乏させることになる」と先のお救い米放出を逆手に取られ、半ば脅迫に近い返しをされたという事実、また有名な尊号一件の詳細まで、本書ではきちんと伝えており、勉強になりました。
しかも、朝廷との対決姿勢を打ち出したで徳川幕府でさえ、数百年ぶりに天皇諡号を積極的に実現したという記述が、光格帝の仁徳を十分伝えてくれています。
右側からの贔屓の引き倒しでも、左側からの誹謗中傷でもない、とすれば、たしかに「クールで客観的な視点」が感じられるものではあるかもしれません?


た、光格天皇と孝明天皇の間でやや印象の薄い仁孝天皇への言及なども若干はあるようで、その点からも、それなりの歴史好きをも、満足させる水準かもしれません?
又、僅か9歳で践祚された光格天皇を育てた後桜町上皇の活躍や、光格天皇が上皇となられて仁孝天皇の良き相談相手になられたことなどもわかりやすく記されており、大変な名著だと思います。
まずはレビューなどチェックして……何でしたら購入検討などもしてみていただければ、と。


然ですが、楽天にも出品は以下略、
「光格天皇」の検索結果:楽天
など、チェックしてみてください。
2021.9.26現在、あまり長くはないですが、「ブクログのレビュー」も1件表示されているようです。
特に御所の復興や儀礼の再興などなど、あるべき朝廷・天皇を追い求め、それを実現している様が印象的。
何でしたら目を通してみていただければ、と。

健闘を祈ります。







品詳細はこちら→光格天皇:自身を後にし天下万民を先とし (ミネルヴァ日本評伝選) 単行本 – 2018/7/11
楽天で探すならこちら?→
光格天皇 自身を後にし天下万民を先とし (ミネルヴァ日本評伝選) [ 藤田 覚 ]
「光格天皇」の検索結果:楽天


 
posted by 蘇芳 at 14:27| 江戸時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする