結局のところ特攻に効果はあったのか? もはやそんなことは~という精神論もありうるかもしれませんが。それはそれとして、時には「敵」に訊いてみるのもよいかもしれません?
沖縄戦特化みたいですが……つまりそれこそ敗戦間際の最後の最後の時期ですし、レイテの頃に比べればもはや特高に「効果」もへったくれもなかったと決めつけられがちな時期ですから、その評価をひっくり返すとすれば、興味深いかもしれません?
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米軍から見た沖縄特攻作戦 単行本(ソフトカバー) – 2021/8/27
沖縄戦で日本陸海軍機の特攻の損害を最も受けたのは空母・戦艦ではなく、沖縄本島周辺の21か所の海域に配置された駆逐艦や各種小型艦艇などのレーダー・ピケット艦艇だった。
配置された206隻のうち29パーセントが沈没・損傷し、戦死者1348人、負傷者1586人の甚大な被害を出した。
本書は、これまで明らかにされることのなかった出撃後の日本軍機の行動と、その最期を米軍の戦闘日誌、戦闘報告などに基づき克明に再現したものである。
知られざる特攻作戦の実像を明かす貴重な記録!
出版社からのコメント
(著者のことば)
カミカゼ攻撃は、気の狂った者が命令した狂信的な任務ではなかった。アメリカ人に日本侵攻が高くつくことを示して、侵攻を思い止まらせる唯一理性的で可能な方法だった。この考えで、日本人は多くの航空機とパイロットを片道攻撃に投入した。
カミカゼの数は、フィリピンの時よりもはるかに多かったので、アイスバーグ作戦の防空計画は不十分なものになった。
戦闘機指揮・管制駆逐艦の防空強化に役立つと考えられた武装小型艦艇だったが、その優位性を活かせる場面が少なかった。
これから述べることは、ほぼ間違いなく第2次世界大戦で最も困難な海上任務の1つに携わった人々と、艦艇と海軍・海兵隊・陸軍の航空機、そして戦闘がどのように展開したかを再現したものである。
(訳者のことば)
日本の特別攻撃隊に関する書籍の場合、その多くが描いているのは、基地を発進するまでの状況である。帰還を想定していない特別攻撃隊の特殊性などから、発進後の米艦艇・戦闘機との交戦状況とその最期を記載したものはわずかである。
本書は、米軍の目を通したものであるが、日本軍機の搭乗員が何とか米艦艇に突入しようとして、米軍の戦闘機および艦艇の対空砲火を避ける行動をとり、どのような最期を遂げたかを明らかにしてくれる。
特別攻撃隊員の中には、自ら進んで、国・家族を守るため特別攻撃隊員を志願した者もいる。一方、死を望まないものの置かれた立場上、特別攻撃隊員として出撃するしかないと考えた者もいる。
いずれの場合であれ、特別攻撃隊員になることが決まった以上、いま自分ができること、すべきことは敵艦に突入することだけだ、と言い聞かせて出撃したであろう。本書が描いている日本軍機の飛行状況から、そのような任務達成の使命感、その一方で任務を果たさずに撃墜されることの懸念を読み取ることができる。
もちろんこれは通常攻撃の隊員も同じ思いであっただろう。
著者について
Robin L. Rielly(ロビン・L・リエリー)
1942年生まれ。沖縄戦当時、父親がLCS(L)-61に乗艦していたことから、USS LCS(L) 1-130協会で約15年間歴史研究を行なう。
1962〜63年、海兵隊員として厚木で勤務。シートン・ホール大学修士課程卒業。ニュージャージー州の高校の優等生特別クラスで米国史、国際関係論を32年間教え、2000年退職。
本書を含め日本の特攻隊、米海軍揚陸作戦舟艇関係の本を5冊執筆。
『Kamikaze Attacks of World War II』『Mighty Midgets At War』『American Amphibious Gunboats in World War II』『Kamikaze Patrol』。
空手に関する著書も多く、International Shotokan Karate Federationで技術副委員長を務めるかたわら自ら空手を教えている。現在8段。
小田部哲哉(おたべ・てつや)
1947年生まれ。三菱重工業(株)の航空機部門で勤務。
退職後は月刊誌『エアワールド』に「アメリカの航空博物館訪問記」を、月刊誌『航空情報』に「アメリカ海兵航空隊の歴史」をそれぞれ連載したほか、ヘリコプター関連記事を月刊誌『Jウイング』に掲載した。
母方の伯父が第14期海軍飛行専修予備学生出身の神雷部隊爆戦隊員として鹿屋から出撃、未帰還となったことから航空機や航空戦史に関心を寄せていた。
出版社 : 並木書房 (2021/8/27)
発売日 : 2021/8/27
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 420ページ
ISBN-10 : 4890634126
ISBN-13 : 978-4890634125
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.6
6 件のグローバル評価
星5つ…64%
星4つ…36%
それ以下は0%
件数は少ないですが、今のところ大好評。
高評価しかありません。
6件中4件は「投票」のみ、
「レビュー」は2件ほど読めるようです。
>「我が国の歴史認識を新たにする良書」とのレビュー:Amazon
>「沖縄航空特攻について不明瞭だった部分に光を当てる待望の著作」とのレビュー:Amazon
などなど。
☆4のほうは個人的にあまり感心できるほどのレベルではありませんが、☆5のほうはかなり説得力のある力作長文。
本書の帯では、「カミカゼ攻撃は、気の狂った者が命令した狂信的な任務ではなかった。アメリカ人に日本侵攻が高くつくことを示して、侵攻を思い止まらせる唯一理性的で可能な方法だった」との作者(米国人歴史研究家、元海兵隊員)の意見が述べられています。など、しっかりした要約紹介になっていようかと思われますし、また、レビューの後半では、こちらなどで触れたノモンハンの事例などもひきながら、海外の(「敵」側の)史料によって戦史が塗り替えられ、したがって「戦訓」もまた見なおされるべきという、自論なども展開されているようで、こちらも読み応えがあります。
実際、我々の多くは、特攻隊が無謀に敵の空母や戦艦に体当たりして、華々しく玉砕したかのように認識しています。ここには、わが国の合理性を欠いた精神論を排斥しようとの断罪的な教訓も付随しています。
しかしながら、本書を読むことで、目標は米海軍の空母や戦艦ではなく、沖縄周辺に配置されていた21箇所に配置されたRP艦隊(駆逐艦、各種小型艦艇)であることが理解できます。
レーダーピケットとは、敵の航空機や艦艇をレーダーによって索敵することを主目的に、主力と離れておおむね単独で行動し、敵を警戒します。しかも駆逐艦などの小型艦艇が使用されるため、爆撃等に対する防護力は脆弱であり、戦闘機の体当たり撃破の効果が高くなります。
また、敵のレーダー機能を潰すことは、現代戦では常套手段です。日本軍はこうした戦いの原則に則り、敵の目と耳を潰す〝麻痺戦〟を試みたのです。
目を通してみていただければ、と。
当然ですが楽天にも出品は以下略、
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健闘を祈ります。
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