2021年09月05日

【読書】鈴木荘一「名将 乃木希典と帝国陸軍の陥穽」

姉妹ブログからコピペ。




者はまた独特の歴史観の持ち主で、サヨクでないことはまちがいないでしょうが、ウヨクというには珍しく明治維新について佐幕派(?)的なところがあったり……何が正しいのかはわかりませんが、とりあえず一冊だけ読んだ https://amzn.to/2UZMUtf はしっかりすごく面白かった記憶があります。
その著者が名将・乃木閣下を取り上げたというので軽く覗いてみます。
こちらこちら、また、昭和陸軍の汚名を晴らすこちらこちらなどとも合わせてチェックしたいところ? もっとも、昭和陸軍はダメだった(特に辻政信など)というニュアンスの商品説明は、福井氏とは真逆の評価ですから、ダメさの理由が違うだけで結論的にはむしろ司馬史観の追認になりかねない危惧も感じないでもないですが💧
そのへん含めて、まずはレビューチェックですかね…


名将 乃木希典と帝国陸軍の陥穽 単行本(ソフトカバー) – 2021/3/6

愚直な名将の勝利と空論参謀の惨敗!

司馬遼太郎は小説『坂の上の雲』で、日露戦争時における満州軍第三軍の司令官・乃木希典と参謀長・伊地知幸介を無能の愚将としてこっぴどくこきおろしている。そのうえ、昭和の帝国陸軍の暗黒と、ノモンハン事件、太平洋戦争敗戦の源は彼らにあるとした。

しかし資料によると乃木軍が、日露戦争の勝利に大きく貢献している。はじめは、主攻を助けるために旅順のロシア兵を封じ込めるだけの「備え」的な役割であったが、その後海軍を助けるため、また主攻に加勢するために旅順を陥落させ、最終的には自分たちが主攻となり、奉天会戦を勝利へと導いたのだ。

一方で、司馬は陸軍大学教官のドイツ人・メッケルを絶賛したが、陸軍大学で脈々と引き継がれた「メッケル軍学(攻撃重視・火力軽視・補給無視)」は、やがて陸軍参謀の服部卓四郎、辻政信、瀬島龍三によって昭和の破滅をもたらす。

本書は、多数の資料で司馬史観の「欠陥」を立証し、日露戦争以降の帝国陸軍の戦いの真相も明らかにする。
出版社からのコメント
【目次】
序 章 日本陸軍の愚の系譜
第1章 日露戦争:旅順攻防戦
第2章 日露戦争:遼陽・沙河会戦
第3章 日露戦争:奉天会戦
補 章 史実から目をそらした司馬史観
著者について
鈴木 荘一(すずき・そういち)
1948年、東京に生まれる。近代史研究家。1971年東京大学経済学部卒業後、日本興行銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。2001年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、活動している。
著書には『明治維新の正体』『政府に尋問の筋これあり』(以上、毎日ワンズ)、『日露戦争と日本人』『日本征服を狙ったアメリカのオレンジ計画と大正天皇』(以上、かんき出版)、『アメリカの罠に嵌った太平洋戦争』(自由社)、『幕末会津藩 松平容保の慟哭』『幕末の天才 徳川慶喜の孤独』『それでも東条英機は太平洋戦争を選んだ』『陸軍の横暴と闘った西園寺公望の失意』『昭和の宰相 近衛文麿の悲劇』『雪の二・二六』『三島由紀夫と青年将校』『名将 山本五十六の絶望』(以上、勉誠出版)などがある。
出版社 ‏ : ‎ さくら舎 (2021/3/6)
発売日 ‏ : ‎ 2021/3/6
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 216ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4865812873
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4865812879
寸法 ‏ : ‎ 18.8 x 12.8 x 2.5 cm


スタマーレビュー
5つ星のうち5.0
7 件のグローバル評価
星5つ…100%
それ以下は0%


数少ないので(ジャンル的にはこんなものかもですが)参考程度ですが、今のところはパーフェクト。
☆5しかありません。
なので、当然ですが、
「司馬史観の呪縛から逃れる」とのレビュー:Amazon
「私が高倉健にシビレ、『坂の上の雲』にシビレた原因が、自分で努力しようという覚悟がなく、ヒーロー待望という強い依存心だったとすれば自分自身が恥ずかしくなる」とのレビュー:Amazon
「司馬遼太郎に無能な愚将とおとしめられた乃木希典は、日露陸戦を勝利へ導いた名将だった」とのレビュー:Amazon
「「坂の上の雲」で語られた日露戦争史や乃木愚将論がいかに虚飾に満ちたものか考えさせられた」とのレビュー:Amazon
など、大好評。
件数は少ないながら、いずれもしっかりした長文で、参考になりそうです。


とえば、
 大東亜戦争について、何故わが国はあのような無茶な戦争をしたのかという疑問をもってわが国の近代史を見るひとが多いと思います。最近になっていろいろな資料が公開されたり発見されたりした、新たな議論が起っています。WGIPに支配された自虐史観を克服しなければならないことは勿論ですが、司馬史観に代表されるある種のルサンチマンに由来するような歪んだ史観も正されなければならないと思います。本書を読んだ方が、従来のものの見方を別の方向から見直してくれれば著者の本懐とするところではないかと思いました。
などは、”まとめ”として優等生的というか、言い尽くした感がありますし……
また、本書自体にそういう主張があるのか、あくまでレビュアー氏の個人的感想か、わかりませんが、
 司馬遼太郎の『坂の上の雲』や『竜馬がゆく』も、高倉健主演の東映ヤクザ映画も「ヒーロー待望論」である。そして私たち読者層・観客層のヒーロー待望という気持ちに働きかけて、人気を博したのだろう。
 しかしよく考えてみると、ヒーロー待望は「自分は何の努力もしないけれど幸せになりたい」という依存心であるかもしれない。
 私が高倉健にシビレ、『坂の上の雲』にシビレた原因が、自分で努力しようという覚悟がなく、ヒーロー待望という強い依存心だったとすれば自分自身が恥ずかしくなる。
 戦前の人々が乃木希典を名将と讃えたのは、ささやかであっても自分の努力と凡庸の団結こそが勝利を勝ち取る唯一の近道と考えて、みんなが努力していたためだろう。
 そして戦後生まれの私たちがヒーロー待望論に浸っているのは、他者への依存心が強く、自分で努力しようという覚悟がないからかもしれない。
などは、なかなか考えさせられるものがあるかもしれません。
私事ですが、陛下に申し訳ないと皇居前で号泣するような戦前の日本人の感覚を見ると、名も無い無力な一般庶民までが、自分たちの努力が直接国運に関係しているという当事者意識を持っていたのか?と、ショックのようなものを感じることがあります(全員が全員ではないでしょうが)。それに対して、サカシラな評論家サマだらけになった戦後は、おりこうちゃんが増えはしたのかもしれませんが、それはそれだけ、”他人事”というか、当事者意識を失ったということでもあるような気がします。当方自身にもあるそういう感覚を思いださせられて、共感できるレビューでした。


との2件には、ノモンハン~昭和陸軍についての言及があるようです。
明治初期の日本陸軍はフランス式兵術を取り入れていたが、フランス陸軍が普仏戦争でドイツ陸軍に惨敗すると大山巌、山縣有朋らの手によりドイツ式へ転換した。そこでドイツ陸軍から教官としてメッケル少佐が来日し、日本の陸軍大学の軍事教官になった。
メッケルは学者肌の軍政家であり、実戦経験はほとんどなく、軍事能力は乏しかった。しかし軍事教官メッケルの命令絶対主義、補給軽視、現実に即さない妄想主義という悪しき伝統が昭和の陸軍大学にひきつがれる。これが太平洋戦争の敗因の大きな原因であった。
榊原昇造は陸大学生・中尉のとき、ドイツから来た教官メッケルに侮辱され腰の軍刀を抜いてメッケルに斬りかかった熱血漢である。ドイツ教官メッケルは歩兵科だが、榊原昇造の工兵科はフランス流であるから、榊原昇造とメッケルは肌が合わなかったようだ。この工兵科の榊原昇造が旅順要塞を地下から爆破して旅順を陥落させた。
という、メッケル流乃至ドイツ式への否定的評価は、別宮暖朗(https://amzn.to/3zLGKff)のモルトケ評なども思いださせて、一定の説得力を感じます。
だた、それがただちに昭和陸軍への否定的評価≒陸軍悪玉論という、もう一つの「俗説」に直結するのであれば、それはちょっとすぐには首肯しかねる面もあるかもしれません。こちらでみた昭和陸軍の戦術レベルの最強っぷり&戦略レベルの北進論の正しさを思い出しつつ……いろいろ考えてみたいところでしょうか。
もちろん、昭和の問題は昭和の問題として、その問題に(司馬ナントカいう***が吹聴するようには)明治の乃木軍が何の責任もないことは明瞭でしょう。
司馬遼太郎は「乃木・伊地知がノモンハンや昭和の破滅をもたらした」と勝手に思い込んで、乃木・伊地知に煮えたぎるような憎悪をぶつけたようだ。しかし著者の判定によれば、「乃木・伊地知とノモンハンや昭和の破滅は何の関係もなく、乃木・伊地知にとってとんだとっばちり」という事である。また司馬遼太郎が、終戦時にソ連が北方領土の千島列島へ侵攻したとき、これを撃退した日本軍の戦車部隊の大いなる活躍を無視し、「日本の戦車は戦争は出来ない」などと出鱈目を言っていることも指摘している。


上。
レビューだけでもわりと内容が濃いですし、まずは目を通してみていただければ、というところ。
もちろん、その上で、サクッと本書を入手してしまうのもよいでしょう。
また、当然ですが、楽天にも出品は以下略、
「名将 乃木希典と帝国陸軍の陥穽」の検索結果:楽天
など、チェックしてみていただければ、と。

健闘を祈ります。


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posted by 蘇芳 at 13:45|  L 日露戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする