2021年06月23日

【読書】大井篤「海上護衛戦」(角川文庫)

遅ればせに読みました。名著。
以下、姉妹ブログからコピペ。



々からブクマしてあったのを何かの拍子に衝動買い。
かつて日本は石油が欲しくて南方に進出したと言われますが。では、手に入れた石油その他を、どうやって内地まで運ぶのか。さらにその物資を前線にどう送るのか。また、そうした民需軍需の様々な物流をどう「守る」のか。
今でいう「シーレーン」の問題。
海軍戦略の研究に関して、おそらく古今東西の第一人者であるアメリカのマハン少将は「戦争は軍事作戦遂行と併行的に通商を続け得る側が勝つ」という意味のことを述べた。(P298)
しかし、帝国海軍は…というお話。
日本の連合艦隊は軍事作戦という方の任務にほとんど頭がいっぱいで、「通商を続けさせるという任務」を顧みなかった。(P299)
日本人さんはちょっと読んでおいたほうがいいかもです(´・ω・`)?


海上護衛戦 (角川文庫) 文庫 – 2014/5/24

資源の大部分を海外に依存している日本にとって、海上交通線(シーレーン)問題ほど重要なものはない。終戦直後、東久迩内閣も、太平洋戦争の敗因の最も根本的なものは船舶の喪失と激減であったことをあきらかにしている。本書は海軍で海上護衛総司令部参謀を務め、困難なシーレーン確保の最前線に立っていた著者が、その戦略を綴った護衛戦の貴重な体験記。現代日本の防衛を考える上でも、欠くことのできない記録である。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大井/篤
1902年生まれ、94年没。山形県生まれ。海軍兵学校卒業後、30年から32年まで米国バージニア大学、ノースウェスタン大学に学ぶ。上海事変勃発とともに駐米大使館海軍武官室勤務となる。その後中国沿岸警備艦隊参謀、華南沿岸封鎖艦隊参謀などを経て43年から終戦まで海上護衛総司令部参謀を務める。海軍大佐。終戦後は、戦史研究家、軍事および国際政治評論家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA/角川書店 (2014/5/24)
発売日 ‏ : ‎ 2014/5/24
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 467ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4041015987
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4041015988


なみに古書で買ったら何か当時物の帯がついてて、「艦これ」がどーたらこーたら書いてあって……巻末解説も何かそっち方面の人が書いてるっぽい。萌え豚釣りのイロモノと思ってましたが、さすがにメインスタッフにはそれなりの軍オタがかかわってるのですかね? どうでもいいですが、その方面好きな方はどうぞということで。。
あとは……
本書、初版は1953年(日本出版協同)ですが。
その後、1975年(原書房)、1983年(朝日ソノラマ)、1992年(朝日ソノラマ)、2001年(学研)、そして2014年(角川)の本書、と、何度も出版社を変えつつ復活してきたようです。
そのたびに絶版になったり出版社が潰れたりしているとも言えるわけで、飛ぶように売れた本ではないのかもしれませんが。にもかかわらず、隙あらば復活・再刊が企画される、シブトイ本でもあり。見る人は見ているというか、心ある出版人の使命感をそそってきた一冊なのかもしれません?
つまるところ地味に名著。
一読をおすすめします。
 あの戦争が長期持久的なものとなることについては、開戦決定関係者の間に誰一人として一点の疑いを抱いたものがなかったことは、史実の示すところである。またいわゆる南方資源の十分な取得を継続することによってのみ、その長期持久を可能にするものであるということ(そのこと自体が、敵側戦争能力をはなはだ見くびったものとしか思えないが)を、開戦決定関係者がはっきり認めていたことも当時の諸資料に明らかである。
 それならばどうしてあのような戦争指導の仕方をしたのだろう。太平洋戦争からの基本的教訓を学びとるためには、このような問題点を頭におくことなくしては不可能だと私は思う。(P25)


スタマーレビュー
5つ星のうち4.5
68 件のグローバル評価
星5つ…59%
星4つ…29%
星3つ…11%
それ以下は0%
なんと低評価皆無。
この件数でこれは素直に凄いと言ってよさそうです。


3が1件ありますが、
「なぜ、今復刊本も再販しないのか惜しい」とのレビュー:Amazon
なので、本書の内容自体は高評価。
本書の絶版状況を嘆いているようで……
思いっきり文庫で復刊されている今さら何を言ってるのか「???」ですが。
よくよく見ると、レビューの日付が「2012年7月31日」で、つまり角川文庫版出版の2年前。
2014年出版の文庫本にどうやったら2012年にレビューが投稿できるのか、謎というか、まあ、Amazonでたまにしばしばよくある、アレですね。別のエディションのレビューがごちゃ混ぜに表示されているパティーン。
多分、元々は、この角川文庫版が底本にした2001年の学研M文庫版↓にでも書かれていたレビューなのかもしれません?
海上護衛戦 (学研M文庫) 文庫 – 2001/2/1
実際、レビュー(https://amzn.to/2UpXf0T)は完全に共有みたいですね。
何はともあれ、いずれにせよ、メデタク復刊なって、新刊が入手可能な今となっては、スルーでよさそうです(また品切れとかしてないだろーな?とちと不安ですが💧)。


るはすべて高評価。
「敗戦から何も学んでいなかった」とのレビュー:Amazon
「日本海軍好きにこそ読んでほしい一冊」とのレビュー:Amazon
「海軍の異常なまでの艦隊決戦主義と、海上護衛、兵站の軽視について再確認できた」とのレビュー:Amazon
「単なる昔話ではない」とのレビュー:Amazon
「海上護衛戦というプランBを持たない連合艦隊は国の防人と言えるのか?」とのレビュー:Amazon
などなどなど、当然ですが、大好評。
力作長文にも事欠きませんし、まずはじっくりチェックしてみていただければ、と。
特に、
本書では冒頭で挙げた日本海軍の華やかな魅力の陰にある、その愚劣な欠点が抉り出されています。そしてまた多くの読者は、その欠点にこう感じるのではないでしょうか。「自分の今いる組織も同じだ」と。
などは本書の性格をかなりうまく言い表してくれているように思います。
著者自身、「血沸き肉踊らざる戦記」と自嘲気味述べているように、読んで心躍る本では決してなく、むしろ暗澹たる気分にさせられるかもしれませんが。だからこそ目を背けるべきではないというか。
泥縄式に設立された「護衛総司令部」の参謀を務めることで、タテマエだけは麗々しいが内実が伴わないお役所仕事≒「デレスケデンの統帥(By小園安名)」を人一倍痛感させられたであろう著者の苦い経験は、その苦さゆえに、貴重な教訓の宝庫でもあるのかもしれません。
実際、
単なる昔話ではない
島国日本に生きる現代の私たちにも参考になる。
と同時に将に現在のホルムズ海峡の安全航行問題に直結する問題です
ただし、これを過去の事、海軍の事としてのみ捉えるべきではない。
それにしても、今の日本がもう一度戦争になったら、同じ失敗をして負けそうな気がしてならない。
現代に通じる
今も同じ
などなどの感想は枚挙にいとまがありません。
裏を返せば、要はそれだけ、”何も変わっていない”、ということかもしれませんが……
諦めたらそこで試合終了というやつなので、「艦これ」がどうだこうだとみみっちい悪口(※そういうレビューもある)を書いている暇があるなら、そのおかげで名著の復刊が成り、読者も増えたことを喜ぶべきかもしれません(底辺読者が増えたところで、愚劣な上級国民さまは云々以下自主規制かもですが)。


然ですが楽天にも出品はあり、古書でなら他のエディションも入手可能かもしれませんから、先ほどの学研版(https://amzn.to/3gPkE3o)はもちろん、
「海上護衛戦」の検索結果:Amazon
「海上護衛戦」の検索結果:楽天

などなど、チェックしてみてもよいでしょう。
楽天にも若干のレビューは表示されているようですしね。。

健闘を祈ります。


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posted by 蘇芳 at 00:51|  L 大東亜戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする