2021年04月05日

【動画】源氏物語文学セミナー 二帖 帚木、三帖 空蝉


アタミの美術館のチャンネルで配信されている動画シリーズ?
源氏物語文学セミナー から。


動画概要:
2016/04/20
「源氏物語」は、平安時代、紫式部の著した54帖からなる日本最古の長編小説です。主人公の光源氏を中心に、帝(みかど)四代70年間の出来事が描かれ、500名近くの登場人物と、800首余りの和歌で彩られた王朝の美を今に伝える作品です。心理描写の巧みさ、筋立ての巧緻、あるいはその文章の美しさと美意識の豊かさなどから、しばしば「古典の中の古典」と称賛され、日本文学史上最高の傑作とされています。

「源氏物語文学セミナーYoutube版」では、毎月一帖ずつ、親しみやすさに配慮して解説しています。
いにしえの王朝の美を、どうぞお楽しみください。

──────────────────────────────

「源氏物語文学セミナー」は、MOA美術館(静岡県熱海市)で毎月開催しています。
どなたでもご参加できます。

●会場 MOA美術館(静岡県熱海市)・能楽堂 http://www.moaart.or.jp/
●講師 羽深恵美(広島大学教育学部国語科卒 元高校教師)
●参加費 無料(MOA美術館の入館料1600円は必要です。毎月ご参加の方は友の会がお得です)

”雨夜の品定め”は有名な場面ですが、短編小ネタ集みたいなものなので、それをそれとしてそれなりに楽しむことができるならよいですが、まだまだ「本筋」は動いていないので、”長編小説”の一部としてみてしまうと、ちょっとイライラするというか、現代のせっかちな読者的には面白いかと言われると困る面もあり……
ただ、ここで頭中将が話すコイバナが、たしか、後に登場する「夕顔」のことだったような気もするので、伏線として意味はあるようです?

源氏物語というと、”義理の母”に手を出すエディプス的な三角関係が強調されることは多いですが。
その一方で、こっそり、”友人の女”にもしっかり手を出していて、さらに”友人の娘(玉鬘)”にまで手を出そうとする(失敗しますが)わけで、こちらの同世代の三角的関係もわりと後々まで尾を引いています。

まあ、源氏というのも女と見れば手当たり次第ですし、当時の狭い貴族社会、女君の血縁関係もこまかく追いだせばわりとグチャグチャ、頭中将の件もその一環として”たまたま”と見ることもできなくはないですが……

しかし、この友人≒ライバル関係、わりと世代をこえて受け継がれ、(次の世代はそうでもなかったですが)、孫の世代になるとさらに不吉な下品な暗い醜い不幸な対立をもたらしますし、そうなってくると単なる偶然で片づけるよりは、やはり、作者の構成的な意図があったようにも思えてくるのは……当方の勝手な深読みでしょうか?

つまり宇治十帖ですが……

匂宮は源氏の娘の息子ですから、普通に源氏の孫(外孫)なわけですが……
薫は表向き源氏の息子ですが、実は柏木の息子ですから、つまり頭中将の孫。
この頭中将の孫と源氏の孫が、宇治の三姉妹を間にはさんでさやあてをくりひろげ、ついには友人を裏切ってレ*プ的な挙にまで出てしまうという……
こうなってくると「K」を裏切った「先生」のような、異常心理に足を踏み込んできますし、ルネ・ジラールのいわゆる三角形的欲望からの内的媒介の地獄をさえ思わせます。
(宇治十帖は浮舟の出家譚でもありますが、厭離穢土というときの「穢土」の内実はこうした精神的な地獄のそれであり、両者の間で「欲望」の「対象」としてふらふらしていたかつての浮舟自身もその「穢土」の不可分のパーツだったのかもしれません……というと先走りすぎですか)

ギャルゲの友人キャラというか、源氏の引き立て役にされがちな頭中将ですが、全編を通してみれば、やはり、友人≒分身関係としてかなり重要な存在ではあり、この分身的な不吉さを千年前に描きだした紫式部というのは、タダモノではないというべきかもしれません?


「空蝉」は当方的には、いろいろゲスというか、源氏が性犯罪者にしか見えないので何とも論評しかねます。
空蝉は後々にはまた再登場もしてくるので、そちらも合わせて解釈すべきなのかもしれませんが……
映画とかマンガとか、源氏物語が別のジャンルに取り上げられる時には、わりと高確率でカットされたり改変されたりする章段でもあるので、そのままだと違和感が強いというか、現代人にとってわかりにくいのは、当方だけにかぎったことでもないのではないかなー、という気はしないこともありません。
まあ、裏を返せば、だからこそ、当時の貴族にとってはこの話の何がどう面白かったのか、「歴史」的な視点から解釈なり理解なりを試みることに、より大きな意味とか必要がある題材でもあるのかもしれません?

Amazon:
源氏物語(1) 付現代語訳 (角川ソフィア文庫)
源氏物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
源氏物語 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
あさきゆめみし 完全版1
源氏物語ものがたり
源氏物語の時代―一条天皇と后たちのものがたり (朝日選書 820)
平安人の心で「源氏物語」を読む (朝日選書)
posted by 蘇芳 at 14:39|  L 「源氏物語」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする