2021年02月14日

平間洋一「日英同盟 同盟の選択と国家の盛衰」 (角川ソフィア文庫)

だいぶ以前にこちらで取り上げた記憶もありますが。
姉妹ブログにも記事があったので、修正しつつコピペしておきます。



ちらでも書いたように。日露戦争の勝利はアジアの諸民族に希望を与え、白人種に衝撃を与えたわけですが。
当時、人種差別&植民地支配で有色人種を虐げていた、悪の総本山の第一人者といえば、何をおいてもまずは 大 英 帝 国 。
それは、同時に、わが大日本帝国の同盟国でもあったわけです。
日露戦争の結果、日本は、”アジアの希望”でありながら同時に”白人どものお仲間”という、単純な人種観からは矛盾する二つの立場の狭間、東洋と西洋の狭間で呻吟することにもなっていきます。やがてそれは日英同盟にもある不協和音を生じさせ、そして……???


日英同盟 同盟の選択と国家の盛衰 (角川ソフィア文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
世界の海を支配する、大英帝国と対等の立場で締結した「日英同盟」。明治維新後まもない日本の国際的な地位を一気に高めて、営々と続けてきた近代化と富国強兵の夢を実現し、念願の列強入りを果たした。しかし、大陸国家のロシアやドイツとの同盟が、日本を破滅の道に追い込んでいった―。軍事外交史研究の泰斗が、日本の命運を決めた歴史的な選択を再検証。同盟国選定の要件と政策の意義から、近代外交の要締を探る。
著者について
●平間 洋一:1933年、横須賀市生まれ。防衛大学校卒、法学博士(慶應義塾大学)。護衛艦ちとせ艦長、第31護衛隊司令などを歴任し、1988年に退官。防衛大学校教授を経て1999年に退官。著書に『第一次世界大戦と日本海軍』(慶應義塾大学出版会)、『日露戦争が変えた世界史』(芙蓉書房出版)、『第二次世界大戦と日独伊三国同盟』『イズムから見た日本の戦争』(錦正社)、共編著に『日英交流史1600-2000〈3〉軍事』(東京大学出版会)など多数。軍事史学会顧問、太平洋学会理事、戦略研究学会理事、呉市海事歴史科学館諮問委員長。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
平間/洋一
1933年、横須賀市生まれ。防衛大学校卒、法学博士(慶應義塾大学)。護衛艦ちとせ艦長、第31護衛隊司令などを歴任し、1988年に退官。防衛大学校教授を経て1999年に退官。軍事史学会顧問、太平洋学会理事、戦略研究学会理事、呉市海事歴史科学館諮問委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

現代史上の「戦争」といえば、昨今の日本では大東亜戦争ばかりが注目され、たまに日清日露が語られるくらいで、第一次世界大戦はその狭間に埋没しがちな気もします。
しかしながら、第一次大戦は日露戦争の結果(の四国協商)の結果でもあり、その第一次大戦の戦後処理の結果がドイツの「失地回復」としての第二次大戦を招いたという、一連の文脈もあるわけで。実際、欧米では、しばしば第二次大戦以上に重視されるのが第一次大戦。仄聞するところ、ウソかマコトか、アチラでは「20世紀は第一次大戦から始まった」という認識さえもあるとか何とか。。そんな重要な歴史について、日本人だけが無知でいいわけもないでしょう。大戦中にはロシア革命まで起きているのですから、なおさらです(ソ連もナチスも、20世紀の「悪」を生み落とした淵源は、いずれ、元をただせば、第一次大戦だと、言って言えないことはないのかもしれません)。
アジア主義と英米協調主義のはざまで揺れ、人種差別の壁に阻まれ、やがて大戦後、日英同盟の終焉から、孤立の道を漂流しはじめる帝国日本……日英同盟の消長は近代日本の歩みそのものでもあり、その時代についての見通しを与えてくれる平間先生の名著は、歴史に学びたい全日本人必読というべきでしょう。それは同時に、現代の日米同盟の時代にも、何らかの示唆を与えてくれるかもしれません?


スタマーレビュー
5つ星のうち4.1
評価の数 11
星5つ…66%
星4つ…0%
星3つ…12%
星2つ…21%
星1つ…0%
大好評ですが。
低評価もいくつかあるようで、何様のつもりか知りませんが、まあ、お手並み拝見というところでしょうか。


21%となっていますが、コメント有の☆2は1件だけですね。
それも、
「多面的な分野に目配りされているものの状況説明的で、しかも著者の歴史観に縛られていて、表題に見合う分析と評価を伴う内容は乏しい。」とのレビュー:Amazon
ですから……
「著者の歴史観」自体がダメだと言いたげな時点で、最初から結論ありきの教条主義ではないですかね。。
歴史を”こう”書かない奴は認めないっ!!というか何というか……
不自由かつ硬直した「歴史観に縛られ」ているのは、はたして、どこの誰でしょうか?


3も1件。
「現代日本で日英同盟がどうたら、という向きには読ませたい本ではあるけど…それくらいか。」とのレビュー:Amazon
☆2よりはマシかもしれませんが。
平間先生の本を読んで「それくらい」しか得るものがないのだとすれば、読者側の能力の問題…いわゆる一つの「猫に小判」を疑った方がよいかもしれません?


るはすべて高評価。
それも☆4ではなく今のところすべて☆5の最高評価。
「日英同盟から透けて見える日米安保」とのレビュー:Amazon
「意外と日英同盟に関する判り易い本がないが、その例外がこの本だ」とのレビュー:Amazon
「期待した以上というか、この平間洋一さんという方は、只者ではない事がよくわかった」とのレビュー:Amazon
「章立てからして変わっており、随所に最近の世界情勢の分析が織り込まれ、改訂版と言うよりもむしろ新しい著作とでも言うべき内容である。」とのレビュー:Amazon
「同盟の利点、継続の困難さなどを中心に、現在の日米安保についても考えさせる内容となっています」とのレビュー:Amazon
「日英同盟を通じて、読者にわが国の進路を深く考えさせる名著。」とのレビュー:Amazon
「日本が世界から認められそして孤立するまで」とのレビュー:Amazon
などなど、当然ですが、大好評。
Amazonの書籍ジャンルらしく、かなりの力作長文も含まれているようです。
まずはじっくり、チェックしてみてください、というところ。


容は多岐にわたり、かつ重層的。
読解力の無い上から目線の****には「状況説明的」だの「それくらい」だのに見えるかもしれませんが、
大枠日英同盟は、日本にとって良かった。それをアメリカが邪魔して
廃棄に追い込んだという意味では、大体関心のある人の共通する関心事実だが、
この本は、大枠この結論に同意するものの、結構実際の経緯は紆余曲折があり、
その紆余曲折の事実を教えてくれて、歴史を深読みできる良書である。
とのレビューあたりが端的に示しているように、「大枠」ではなく、その「紆余曲折」にこそ尽きせぬ価値があるというべき一冊。
日本においては(上のレビュアーの一部なども)、第一次大戦において、日本が兵力を出し渋ったことばかりを強調されがちですし、「大枠」においてそれは事実かもしれませんが。その一方で、出兵を主張する声も当然にあり、陸軍はさておき、海軍はそれなりの貢献もしています。マルタの特務艦隊はもとより、太平洋全域をまたにかけて同盟国の防衛に尽くしたのは帝国海軍。しかしてその同盟国日本に対して、誹謗中傷の記事を書きたてた米国のマスコミや、あまつさえ砲撃を加えた豪州。また、当の英国にしても、派兵しろといったり要らんといったり話が二転三転し、また、ビハーリー・ボースの亡命騒ぎなど、日本との軋轢の種はいくらもあるわけで、単純に”日本=バカ”で片づけられるほど単純素朴な経緯でもないでしょう。
結論ありきではなく、そうした「経緯」「紆余曲折」についての情報を、自分なりに処理していく読み方をするのが、本当に本を「読む」ということかもしれませんし、本書は、そういう読み方に耐えうる一冊でもあるのではないでしょうか。
そして、個人的には、そうした「読み方」を可能にする本こそ、名著と呼びたい気もするのです。


お、上の引用レビューにも一部で指摘されているように、こちらと同様、本書にも旧版が存在するようです。
Amazon:日英同盟―同盟の選択と国家の盛衰 (PHP新書) (日本語) 新書 – 2000/5/1
が、レビューにも言う通り、新版は大幅改稿され、ほとんど新著レベルにリニューアルされているようですし、お財布的にも、2020.5.3現在、旧版の古書価のほうが、新版の定価より高額というありさまですから、今さら旧版を買うメリットというのも乏しいでしょう。おとなしく新版を買っておけというところですが……
旧版には旧版でレビューが2件ほどあるようですから、
「こうした分野を考えていく上での貴重な糸口になり得るのではないでしょうか」とのレビュー:Amazon
「日本とイギリスだけではなく、中国、アメリカ、オーストラリアなどとの関係にまで踏みこんでおり、興味深い」とのレビュー:Amazon
など、目を通しておいてもよいかもしれません?
また、当然ですが、楽天にも出品はありますし、楽天ブックスには例によって「ブクログのレビュー」なども表示されているようですから、
「平間洋一 日英同盟」の検索結果:楽天


なども、何でしたら目を通してみてもよいでしょうか?
「右翼学者」とかいうわかりやすいレッテル貼りの**が湧いていますが、それ以外の2件は、まともな投稿のようです。
じっくりチェックしてみていただければ、と。。

健闘を祈ります。




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Kindle版→https://amzn.to/2y9qyKt
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posted by 蘇芳 at 01:41|  L 第一次世界大戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする