2020年03月12日

【動画】福沢諭吉が残したあのコトバの意味【CGS 斎藤武夫 歴史の授業 第51回】


ChGrandStrategy から。


動画概要:
2020/03/10
今回は「福沢諭吉と文明開化」について学びます。
1万円札の肖像、学問のすゝめ、慶応大学…たくさんの功績が思い浮かびますが、今でも名言として語り継がれるのは「天は人の上に人をつくらず」という言葉。この言葉の本当の意味、知ってますか?
そしてもうひとつ素晴らしい言葉を残していました。それはどんな言葉?
文明開化を突き進んだ福沢諭吉の姿に迫ります!

福沢諭吉については先だってこちらでもチェックしましたし江崎さんの「フリーダム」とかその方面で評価するのもよいと思いますが。

しかし、斎藤先生の場合、あいかわらず奈良時代と聖徳太子が好きすぎて、やや公平を欠いた独断に陥っていないかとも危惧します。

山鹿素行、水戸光圀、山崎闇斎、尾張義直の昔から、頼山陽、本居宣長、そして動画のお二人がダイスキな吉田松陰に至るまで、江戸の仏教嫌いは徹底しています。(吉田松陰は手紙魔でしたが、妹宛の手紙で神様をしっかり祀れと諭す一方、ホトケ様に対してはわりとどーでもいいが世間サマと喧嘩してもツマランので世間並みの風習にオツキアイするていどにやっとけ、的なことを書いています)
その江戸時代がもたらした明治維新を称賛する一方で、仏教排除の思想的文脈をあまり軽視しすぎるのも、かえって不自然な気がします。
我が邦は君臣の義、万国に度越す。而るに西竺の説、これを壊り、これを土灰沙塵に帰して止む。而してその端を開く者は、厩戸・馬子なり。http://amzn.to/2DyWc1r
そもそも、仏教を度外視しても、聖徳太子というのは、逆賊・蘇我氏の一党とも言えなくはないわけですし。。
蘇我馬子は崇峻天皇を弑逆した、と、正史に明記されていますが。聖徳太子含め、その行為に誰も文句をつけていない。飛鳥時代というのも不思議な時代。礼賛する前にまずその不思議さに立ち止まってみてもよさそうな気はします。
聖徳太子は隋の煬帝に対等外交を挑んだ、そのときの思想的ツールが、彼の中華思想を相対化する、世界宗教としての仏教だった~と、こちらの石平氏などは言っていましたが。
そういう「相対化」は皇室・尊皇思想にはどのような影を及ぼすのか?

廃仏毀釈にしても、国家神道とワンセットのイデオロギー装置としてあまりにも左派に悪用されつづけてきた経緯があり、実際の実態はどうだったのか? 当方も詳しくないので結論を急ぐわけにもいきませんが、俗論通りに仏教を被害者扱いすることには、あるためらいやイカガワシサも感じざるをえません。
(神道を国家主導で行う、ということは、政府が神社界に余計な指図をするということで、実際、一村一社など、いろいろ強引な施策で迷惑をこうむったのはむしろ神社側ではないかという気もしないでもありません。奈良時代の国分寺・大仏・あげくのはての伊勢神宮寺など「国家仏教」はスバラシイのに、一方でそれと同型だと斎藤先生が言う明治政府の宗教政策はゴミだというのも、勝手な言いぐさではないでしょうか。日本人は極端から極端へ~というのも、それこそ”戦後知識人”か何かのようですが、奈良の日本人は極端ではなかったとでも?)

話を福沢諭吉に戻すと。
確か彼はわりと西郷ファンでもありましたが。。

明治維新の立役者だった西郷さん自身が、明治時代になると、明治政府の堕落に敵対する立場にクラスチェンジし、民権運動や在野のアジア主義のルーツとしてあがめられるようになっていったことも、押さえておきたい気がします。
”偉大なる明治”を作った江戸の教育制度を廃して作り上げた明治の学校制度。それは要するに、官吏養成を目指す全国的なピラミッド構造を作り出し、官僚主導の大きな政府の硬直を生みだす道でもあったのではないでしょうか。
西郷ファンの福沢がその制度の基礎を築きもしたとすれば、皮肉でもあるように思います。

動画では金玉均と福沢のかかわりも若干言及されていましたが……宮崎滔天や内田良平、頭山満などなど、西郷崇拝者たちがアジア主義の理想に燃え、そして”三十三年之夢”と消えた流れにも、目を向けておきたい気がします。孫文や蒋介石にいいようにもてあそばれた彼らロマンチックなアジア主義者たちに比べれば、さっさと脱亜に目覚めた福沢は、さすが、よほど現実が直視できていたのではないかとも思えます。同じ西郷ファンと言いながら、彼我の明暗を分けたのは何か?

神谷さんの言う通り、福沢諭吉というのも、いろいろな角度から論議できる題材ではあるようで……

つけくわえると、福沢の「学問のすゝめ」は、仲村正直の「西国立志編」などとともに、明治のある種の風潮を作り上げ、そうした立身出世主義は様々な批判も呼んできたような気もしますし。
そんな風潮のなか、西郷ファンといえば、誰よりも西郷ファンであらせられた明治大帝が、実学偏重の学校教育を危惧あそばされたことが、教育勅語を生みだすに至った、などということもあったようななかったような気はします。

そういえば、今回の動画、明治の教育制度、そもそも明治時代を語るにあたって、今のところ、明治天皇がサッパリ登場してきませんが……
さすがにそろそろ、御出御あそばされるのですよね??
(それとも、現行の学習指導要領では、天皇を重視することなど、土台、無理なのでしょうか。和魂洋才の問題をめぐって、鹿鳴館時代は出てきても教育勅語は出てこないとかいう教科書検定が行われていてもおかしくなさそうな悪寒。政党DIYが文科省解体を主張しているというのが本当なら思わず支持したくなりそうです。口だけ番長でなければいいですが。転売ヤーざまあとかいって規制導入に賛成してたメンバーもいるくらいですし、ワタセ氏と綱領の擦り合わせできるのか?ですけどね、あの活動も。。)

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posted by 蘇芳 at 15:46|  L 「CGS 斎藤武夫 歴史の授業」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする