2020年01月21日

【読書】佐藤和男 / 終戦五十周年国民委員会「世界がさばく東京裁判」

 

遅ればせにもほどがありますが。
以前、チャンネルくららかどこかの動画で、当ブログで勝手におなじみの江崎道朗さんがかかわっていると言われていた本。
ようやく入手。一読しました。
日本人なら読め、というか。日本人以外でも、人間なら読めと言いたいレベルの名著です。
何となれば、国際法違反の東京裁判で踏みにじられたのは、単に日本だけではなく、国際法そのものであり、つまり国際社会そのものだったのでしょうから。。

本書は博引傍証、「極東国際軍事裁判」いわゆる東京裁判がいかに非道な、愚劣な、恥知らずな、国際法違反の犯罪的欺瞞であったかを、論証して間然する所がありません。
それは単に日本一国に対する暴虐というだけではありませんでした。
国際法を踏みにじった似非裁判は、すなわち、国際社会すべてに対する冒涜行為でした。
その「東京裁判」の欺瞞性・犯罪性を批判することは、国際社会に対する義務に他ならない、と、本書は説きます。
祖国を愛するいかなるアメリカ人も、消しがたく苦痛に満ちた恥ずかしさなしには、この裁判記録を読むことはできない……。
A・フランク・リール陸軍大尉
マニラ裁判は、戦争犯罪裁判は戦勝軍指導者による個人的または政治的仇討ちに悪用されてはならない、という教訓を突きつけているのである。
ローレンス・テイラー
本書ではまた、アメリカの正義(裁判)も裁かれているのである。そして最終的に敗れ去ったのは、アメリカの正義であったことを証明している。
エドウィン・O・ライシャワー博士
歴史家は、東京裁判の判決が、国際法と正義を大きく前進させたという考えを疑問視するかも知れない。
コーネル大学教授シュレーダー
この戦争裁判があまりにも不公正であり、報復的にすぎたため、国際法は進歩を阻害されたばかりか、その威信はまったく地に墜ちた観がある。たとえば、その後に起きたベトナム戦争で明らかに毒ガスやBC[生物学・化学]兵器が使用されたにもかかわらず、国際法は眠ったままであり、ハンガリー事件、ベルリン事件、キューバ事件、あるいは中印国境問題やアイヒマン事件など、相次ぐ国際的重大紛争や事件において、明瞭に国際法に抵触している点があるにもかかわらず、誰れひとりそれを口にするものすらいなくなった。あたかも、国際法はあって無きがごとくである。
田中正明
ニュルンベルク以来、もう八十以上の武力紛争がございまして、六十ヵ国以上がこれに関係しております。ですから、少なくとも三十ヵ国が侵略国となっているわけです。と申しますのは、こういった武力紛争の半分が、こうした侵略を仕掛けたわけですから。(中略) 実際に、政治指導者のなかで、東京裁判もしくはニュルンベルク裁判のこういった法によって自分たちが抑止されていると感じている人は、誰もおりません。
クヌート・イプセン
東京裁判で個人に戦争責任を追及したが、かういふことは国際法では許されてゐない。東京裁判は間違っていたといふ認識がいまや世界中の諸国に定着したので、サダム・フセインに悪い戦争をした責任を個人的に追及しようなどといふ動きは全くありません。
外務省条約局法規課長・伊藤哲雄
こう考えてくると、ニュルンベルクと東京の裁判が法の規則を設定したという価値は取るに足りぬように思われる。むしろ、重大な退歩をさせたというべきである。
ハンキー卿
戦後まもない日本は政府も国民もその自覚と正気を保っていました。
当時は、社会党でさえ、敵国によって「戦犯」とされた人々やその遺族・家族の救済のために奔走したことは、今では再び多少は知られるようになってきたでしょう。
しかし、それ以降の戦後日本の歩みは、ただひたすら一直線かつ完膚なきまでにその正気を失い、おかしくなっていく、劣化と堕落の道行きでした。。
そのことを痛感させられて、絶望したくなる本でもあります。(上の引用文中にもあるように、悪名高い外務省でさえ、東京裁判の無法性を承知しているというのに、それを一顧だにしなかった同時代の政治屋の劣化と狂気は何事でしょう)
幕末維新あたりの歴史好きであるならば、榎本武揚と黒田清隆をめぐる「万国公法」のエピソードを知っていると思いますが。。
そのあげくの果てのナレノハテがこれかと思えば、なおさらです。
だからこそ、なおのこと、すべての人間が読んでおかなければならない一冊ではないでしょうか。

ところで……
最初に書いておいたように、やはり、確かに、本書には江崎さんも関係しているようで。
監修者の佐藤和男氏による「レーリンク判事の〈東京裁判〉への総括的批判――はしがきに代えて――」の末尾に、
以上をもって本書の「はしがき」に代えることとするが、本書の刊行について終戦五十周年国民委員会事務局(椛島有三事務局長・江崎道朗事務局員)より与えられたご激励とご協力に心からなる謝意を表したい。
の一節があるようです。
ちなみに江崎さんは、「再審「南京大虐殺」―世界に訴える日本の冤罪https://amzn.to/36bYfpJ」の編集委員にも名を連ねていたりもするようで。
ここ数年の活躍が目覚ましい江崎さんですが、二十年以上も前から、本当、地道に頑張ってこられたのですね。頭が下がります。

本書にも描かれていた、独立回復後しばらくのあいだは正気を保っていた日本が、急速にオカシクなっていく経緯のなかでも、特に、社会党が共産主義に乗っ取られていくありさまについては、江崎さんの「朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作」にも書かれています。
江崎さんの他の著作全般https://amzn.to/2RxjexKともども、本書と合わせて、お薦めしておきます。

Amazon:
世界がさばく東京裁判
世界がさばく東京裁判―85人の外国人識者が語る連合国批判
再審「南京大虐殺」―世界に訴える日本の冤罪
朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作
posted by 蘇芳 at 02:49|  L 東京裁判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする