MrDecomags 、OSUCAR 1114 から。
動画概要:
2009/10/08 に公開
1995年 Hi8ビデオで撮影したものです。
http://www.mediawars.ne.jp/~tanimura/
霊明神社つーか、末社のサルタヒコ神社だけ写してどーすんだみたいな動画ですが、まあ、それはさておき。
こちらで書いたように、京都東山の霊山に明治天皇のおぼしめしで招魂社が創建されたのは、慶応4年(明治元年)。東京招魂社より一年早い、日本最初の官祭招魂社ですが……
そもそもなぜ勤皇派志士の祭祀の庭として霊山が選ばれたのかというと、それにはさらに60年ほども遡れるルーツがあったようです。
こちらなどをはじめ、くりかえし書いてきたように、尊皇の志士には仏教嫌いの思想的素地がありました。
にもかかわらず、幕府の政策によって檀家制度が強制され、いわゆる葬式仏教が確固たる地位を確立したのも、江戸時代。かの本居宣長でさえ仏式の葬式を拒否することはできませんでした(まあ、宣長は元より穏健派ですが)。
この制度に反撥したのが、霊明神社初代宮司・村上都愷。日本は神国であるという国学思想に傾倒した都愷は、外来宗教の仏式を拒否し、神道による「神葬」を敢行すべく、洛東霊山に神道墓地を開拓し、霊明神社を創建したのでした。
時あたかも文化六年(1809)、維新回天へ向けて尊皇思想が高まりを見せはじめる、第119代光格天皇の御代のことでした。
京都は志士たちの活動の舞台ともなった街ですが。
やがて霊明神社は、そうして命を落とした志士たちの葬送の場となっていきました。
志士の最初の埋葬例は、文久2年(1862)、松下村塾門下の長州藩士・松浦松洞。それ以降、長州を始め各藩の志士の埋葬が相次ぎ、安政の大獄以来の志士を偲ぶ「霊魂祭」なども行われ、霊明神社は志士たちにとっての聖地になっていったとか。同社には久坂玄瑞が先祖の永代供養を申し入れたという記録もあるそうですし、坂本龍馬と中岡慎太郎が凶刃に倒れたとき、その遺体が埋葬され神葬が行われたのも、同社でした。(神社は霊魂だけを祀るのが通例で、靖国神社や護国神社にも遺骨などはありませんが、霊明神社の神葬祭は「実葬」。坂本龍馬にしても中岡慎太郎にしても、実際にこの地に「遺体」が「埋葬」されたそうです)
現在、坂本龍馬と中岡慎太郎(をはじめ多数の志士たち)の「お墓」があるとして有名なのは、京都霊山護国神社ですが……
動画概要:
2010/08/01 に公開
今話題の坂本龍馬や中岡慎太郎、木戸孝允こと桂小五郎他多くの幕末の志士達が、
京都東山で街を見渡せる霊山護国神社に眠る
実はこのあたり一帯が、もともとは霊明神社の社地でした。
霊山招魂社の創建と共に、墓地を含む霊明神社の境内の大半が、政府に召し上げられてしまったのでした💧
(明治政府の宗教政策、いわゆる「廃仏毀釈」というと、仏教が弾圧されて神道が保護されたかのように勘違いされがちですが、神道の再編・大改革が試みられた結果、大きな混乱に陥ったのはお寺よりむしろ神社界のほうだったとも言いますね。。)
現在では、護国神社の裏というか隣というか、ひっそりと寄り添うように建ち、全く目立たない小さな神社になっていますが……
後に合祀された日清日露以降の対外戦争の戦没英霊は別として、いわゆる招魂社の創祀当初からの御祭神たちにとっては、この霊明神社こそが本来の聖地であり……靖国神社や全国の護国神社の源流ともいうべき存在だったのかもしれません?
霊明神社初世神主村上都愷大人の功績を詠むもしも、京都を訪れ、護国神社の英霊に手を合わせる機会があったなら……
しげ草の茂れる道の路わけは君が利鎌の光なりけり (東宮侍者少監物藤原重武)
その「ついで」でもいいですから、隣接する霊明神社にまで足を伸ばして、志士たちが国事に奔走した、往時を偲んでみるのもよいのではないでしょうか。
霊明神社の主祭神は、天之御中主命。熊野三柱大神(菊理媛命 速玉男命 事解男命)。相殿に天照皇大神 天鈿女命 武甕槌命 経津主命。
また、境内の末社には猿田彦命をお祀りしています。(上の動画に映っているのが、こちらの末社の御神石)
天之御中主命というのも、記紀に最初に登場する神でありながら、具体性が無く、従来はあまり祭祀の対象にされてこなかったところ、中世以来、仏教に対抗する形で神道学説が整備されていく過程で徐々にクローズアップされていった神様。
王政復古を目指して、思想・信仰・社会制度の一新・再構築を志向した維新回天の聖地には、ふさわしい御祭神でもあるでしょうか?
妙見神社や水分神社以外に、天之御中主命を主祭神にした神社というのも、わりと珍しいですから……そういう意味でも、お参りしてみる価値ありかもしれません?
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京都風光:霊明神社,Reimei-jinja Shrine
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