2019年09月04日

【動画】第3回 前編&後編 高杉晋作 命のかけ方【CGS 偉人伝】


ChGrandStrategy から。





動画概要:
1)2014/04/29 に公開
おもしろき こともなく世に おもしろく!高杉晋作が命を懸けたものとは?そしてそこから学べることとは?
人生の指針を学ぶ偉人伝 第3回 前編
高杉晋作 命のかけ方
講師 中野渡慶介

2)2014/05/06 に公開
Wikipedia:高杉晋作

講談的に面白い動画で、見やすくてよいかとは思いますが。
例によって「りーだーしっぷ」が云々で、ためにする説教臭、特に精神論に、少々偏している気はしないでもありません。

高杉晋作が信念の人だったとして、その信念はそもそもどうやって形成されたのか。
ある意味、妄執的なまでに固執した、その「討幕」という信念の強さは何事か。
現代の私たちは結果を知っていますからいいですが、そうではない当時のリアルタイムの状況下で、なぜそうまで確信が持てたのか。
意思を貫く精神以前の、理性による判断の側面も抑えておかないと、精神論だけで「りーだーしっぷ」が発揮できるなら苦労はないということにもなりそうです。

といって、私もさして詳しいわけではないので困りますが……

とりあえず、上の動画でスルーされている高杉がらみのトピックのなかでも、吉田松陰の死(安政の大獄)や、上海行については、押さえておいた方がよいような気がします。
欧米の植民地支配については、単に吉田松陰から教えられただけではなく、実際に、チャイナへ渡って見聞しているのが、高杉晋作です。
Wikipedia:高杉晋作 - 留学
高杉晋作といえば、チャンネルくららでおなじみの古事記暗唱エピソードがありますが。
【動画】すばやく学ぼう!歴史人物伝「誰もやらないなら一人ででも立つ!たった一人の若者の決意が明治維新をもたらした!高杉晋作」
【動画】世界と戦った日本人の歴史~幕末激動編 第18回「高杉晋作、 大英帝国を追い返す」
【動画】世界と戦った日本人の歴史~幕末激動編 第19回・最終回「功山寺決起 ~一人の若者の決意が 日本を救った」
幕末領土主権所在地
高杉がそうまでして彦島の「租借」を全力で回避したのはなぜか、しなければならないと燃えていたのはなぜか。それもこれも、列強の「租借」が何を意味するか何をもたらすか、単なる概念的知識ではなく、実地の見聞・経験として肌で知っていたからではないでしょうか。

もちろん、同じ経験をしても、慧眼の士と凡俗とでは、得るものには天地の差があるでしょう。チャイナの惨状を目にした結果、正しい現状認識を持つことができたということ自体、高杉が優秀な人物だった証拠ではあるかもしれません。
実際、高杉の上海行は、幕府の使節の随行員としてだそうですから……つまり、同じチャイナの亡国のありさまを、高杉だけでなく、幕府の役人も、ちゃんと見ているはずなのです。しかし、彼らには目の前にあるものが見えなかったのか、見えてはいてもあまりに巨大すぎる幕府の中では木っ端役人の見聞など何の影響力も持ちえなかったのか……幕府は着々と「現実路線」を走りつづけるわけです。

理性的な判断に基づいて、最善ないし次善の策を選んでいたのが、幕府外交ではあったかもしれません。
しかし、それでは日本は救えない、と……ある意味、理性を跳躍した判断を高杉は下したわけで、それはなぜか?
高杉と幕府の役人との決定的な違いをもたらしたものは何か?

順序が逆になりましたが、吉田松陰の処刑は安政6年(1859年)10月。高杉が上海へ渡航する3年ほど前のことです。
吉田松陰の下で欧米列強の危機について学んだ、そのうえで、実地にその植民地支配の実態を目にして、ああ、生前の師の教えは真実だった、と、今さらにあらためて確信を深めたのが、つまり、このときの高杉晋作だったのではないでしょうか。
しかもその偉大な師を、無実(?)の罪で死に追いやった無能が、幕府というわけで……

これらの経緯を押さえてみれば、幕府に愛想が尽きても当然、と、感覚的に了解しやすくなってくるのではないでしょうか。

つけくわえるなら、吉田松陰は高杉以上の過激派で、生前、何度となくテロを計画しては断念したり失敗したりしています。時には高杉や久坂たちに「無謀だからヤメロ」と制止され、激怒して絶交を宣言したりもしたとかしなかったとか。。
その高杉が、今度は、「無謀だからヤメロ」と回り中から言われる功山寺決起に踏み切るわけで……そこにもやはり、単に死して不朽の見込みあらば~というお言葉だけでなく、実際にそのようにして死んで見せた松陰の生きざま・死にざまに感化された面はなかったか。

解釈はいろいろあるでしょうし、事件の経緯についても、実は~と通説にさからう新説・奇説などもあるかもしれません。
しかし、何はともあれ、信念の人~的なヨイショに走る前に、まずはその「信念」の形成過程を、もう少し細かく見ておきたい気はするのです。

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高杉晋作・上海行―攘夷から開国への覚醒
posted by 蘇芳 at 01:22| 江戸時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする