2019年08月15日

【動画】NHKスペシャル「日本新聞」について 安達誠司のマーケットニュース特別番組 江崎道朗


チャンネルくらら から。


動画概要:
2019/08/14 に公開
脱デフレの歴史分析―「政策レジーム」転換でたどる近代日本 安達 誠司 https://amzn.to/303fyXt

NHKは見ないのでまたぞろどんな毒電波を垂れ流したのか知りませんが。
昭和恐慌~二二六事件あたりのトピックについては、これまでにも、安達&江崎両氏の動画をいくつか視聴してきました。
【動画】特別番組「景気回復を邪魔するものの正体とは?~日本は誰と戦ったのか?」安達誠司 江崎道朗
【動画】特別番組「昭和恐慌の研究と安倍政権のリフレーション政策」安達誠司 江崎道朗
【動画】特別番組「日本は誰と戦ったのか~知られざるトランプの経済政策」安達誠司 江崎道朗
また、上のリンク先記事でも書きましたがこのトピックについては江崎さんの「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」のほうがかなり直接的に取り扱っているという気もしないことはありません。
つけくわえると、チャンネルくららとはかかわりのない人ですが、こちらで引用した別宮暖朗の著書https://amzn.to/2YPSWgLもわりと面白かった気がします。

昭和恐慌に代表される日本経済の迷走が、そも、上の動画で名指しされている(NHKが褒めちぎる)ボンクラどもの「不適切な経済政策」によって引き起こされたものであるとするならば、それを解決する処方箋は畢竟するに「適切な経済政策」だったことになるのではないでしょうか。そして、その「適切な経済政策」を実施し、戦前日本のGNPをピークにまで持っていったのが高橋財政だったらしいですが……なぜかその高橋是清はじめ、岡田内閣の面々が、自称「愛国者」に殺されてしまったというこの「ねじれ」。
そのねじれをどう整理していいのか、私ごときの手には余りますが、とりあえず、戦前日本の言論空間にトンチンカンな「ねじれ」が生じていた、そのこと自体はさすがに理解できるように思いますし、その「ねじれ」の根底には、(コミンテルン等いわゆる「黒幕」の「悪意」に踊らされた面はあるにもせよ)、多くの純粋な日本人の「善意」こそが横たわっているのかもしれない。そう想像してみることには、本当にやりきれない苦さを伴わずにいられません。
 大正時代以降、このような貧困問題への解決策を提示しようとしたのは、主として社会主義者とキリスト教徒だった。社会主義者は労働組合を作って資本家と交渉し、労働環境を改善しようとした。キリスト教徒は慈善運動という形で貧民救済運動を行った。
 その二者のうちでも、社会政策としてきちんと解決策らしき政策を提示することができたのは、やはり社会主義者たちであった。
 だが、保守派の多くは、道徳や家族制度、国防や外交問題のほうに注目し、経済問題の重要さをわかっていなかった。端的にいえば、「経済オンチ」だったのである。この構図は今もさほど変わっているとは思えない。
 日本の社会主義者の大部分は、最初はただ、真面目に貧民を救いたいという願いを抱いた人々であった。中には、端から本気で日本を滅ぼしたい確信犯の革命家もいたかもしれないが、ほとんどは違ったのである。
 のちに筋金入りの革命家になった片山潜のような人も最初は、労働組合運動による労働者の待遇改善を望む社会主義者であって、日本の亡国を企む革命家ではなかった。
 日本共産党に関与し、治安維持法で逮捕された者の大半は、二十代の青年であった。しかも、その多くが貧しい人に対する同情など人道的な動機であることは、治安当局も理解していた。
 このように真摯に貧困問題に取り組もうとして、結果的に社会主義に惹かれていった若者たちに対する政府や「右翼」の対処は、あまりに愚かであったとしか言いようがない。
 ここでいう「右翼」とは、社会主義者や左翼たちを批判し、その言論の自由を奪うことが国を守ることだと思い込んでいる人々のことを指す。わが国の歴史や伝統を尊重し、言論の自由を尊重しながら、国民経済を再建しようとする「伝統派」「保守派」のことを指しているわけではないが、誤解を招かないようにここでは、以後「右翼全体主義者」と表記することにする。
 政府や上杉慎吉のような「右翼全体主義者」が、社会主義の研究をしている人たちに「お前たちは社会主義のようなけしからんものを勉強しているから非国民だ、国体に反する人間だ」とレッテルを貼って言論弾圧した。その結果、エリートたちを反体制側に追いやったのである。
 しかも彼ら「右翼全体主義者」は、味噌も糞も一緒だといわんばかりに、社会主義者だけでなく、吉野作造のような、皇室を尊崇する自由主義者まで敵に回していった。
 上杉慎吉のような学者や「右翼全体主義者」ばかりではない。文部省の対処も、まさに拙かった。文部省は、教育勅語の拝礼と暗唱を強制したのである。
 もちろん、教育勅語の内容は素晴らしいものであるし、それを指針としたり、暗唱することにも意味がある。
 だが、それを強制し、ましてその度合いで学究を判定するのは、明らかに行き過ぎだ。それでは、記憶力が弱かったり、うまく発音できないことに苦しんでいる人たちなどが「悪」だと判定されてしまう。記憶力が劣った児童・生徒は、愛国心がないというのか。馬鹿馬鹿しいにもほどがあるが、「教育勅語には法律的効果がある」として暗記を強制させることを推奨したのが、言論弾圧を煽った上杉慎吉教授らだった。
 もちろん、明治天皇の大御心がそのような差別を許すはずもあるまい。しかし、文部官僚たちは無能さと怠惰さから、単なる機械的な暗記暗唱に走ったのである。
 教育勅語を暗記した児童・生徒は立派であるとする一方で、同朋の苦境を憂い貧困問題に取り組む学生は非国民だとして弾圧したのだ。これでは、正義感が強くて、貧困や格差の問題に本気で取り組みたいと思っているエリートほど、体制への反発を深め、社会主義を賛美するようになっていったとしても何の不思議もない。
 今となっては、社会主義国家のほうが数段残虐であり、国民の幸福を奪う社会制度であることがわかっているが、当時はそうではなかった。そして貧困問題などを解決する理論として当時、社会主義は圧倒的に支持されており、説得力のある「社会主義」批判が提唱されるのは、フリードリヒ・ハイエクが『隷属への道』を発表した一九四四年まで待たなければならなかった。
 確かに、ゾルゲ事件が示すように、戦前の日本がソ連の工作にやられた面はある。だが、そうなるべく下準備をし、工作にしてやられる土壌を整えていたのは、明治以降の近代化という欧米化のもとでのエリート教育の歪みであり、近代国家として発展していく中で生まれた労働問題、貧困の格差問題であり、本章で見たような、日本政府や「右翼全体主義者」の「愚かしく誤った対処」だったことを忘れてはならない。
江崎道朗「コミンテルンの謀略と日本の敗戦https://amzn.to/2yX0YFb

きりがないので引用もこれくらいにしておきますが、こうして醸成された「土壌」の上に成立したのが、コミンテルンの工作・謀略であり、さらに事態を悪化させたのが、浜口雄幸内閣の蔵相井上準之助による「金本位制復帰」という「不適切な経済政策」だった……というのが、無理やり大雑把にまとめてみたところの江崎氏の説明だったかと思います。
 青年将校たちが憤った昭和恐慌は、政治家が国民のことを思っていなかったからでも、財閥が私利私欲を求めたからでもなかった。資本主義の欠陥でもなかった。世界的なデフレに対して、「金本位制復帰」という形でデフレをさらに悪化させるという日本政府当局の判断ミス、つまり政治家の「経済オンチ」が引き起こしたものだったのだ。
この説明が正しいのかどうか。そもそも私の理解や引用が適切かどうかはワカリマセンが……
デフレを悪化させる経済政策、というと、まあ、どこのミンス党か自民党かというか何というか。。
歴史はくりかえす、と、安易に言いたくはありませんが、「敵」の工作機関に再び私たちの「善意」を悪用されないためには、江崎氏なり安達氏なり他のマトモな識者なりによる、こうした過去の「ねじれ」の分析に耳を傾けてみるのも悪くないのではないでしょうか。
(江崎氏の言う「右翼全体主義者」と鏡合わせのような「左翼全体主義者」が大手を振って日本を壊そうとしつづけてきたのが、「戦後」の一つの実相でもあるとすれば、なおさらです)

Amazon:
脱デフレの歴史分析―「政策レジーム」転換でたどる近代日本
経済で読み解く大東亜戦争
日本は誰と戦ったのか - コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ 【新書版】 -
コミンテルンの謀略と日本の敗戦
日本占領と「敗戦革命」の危機
朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作
帝国陸軍の栄光と転落
隷属への道
NHK亡国論
別冊正論 Extra.20 NHKよ、そんなに日本が憎いのか
これでも公共放送かNHK!―君たちに受信料徴収の資格などない
posted by 蘇芳 at 01:47| 昭和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする