2019年06月10日

【動画】革命の戦略家 楠木正成 海上知明 倉山満~重版御礼!戦略で読み解く日本合戦史


チャンネルくらら から。


動画概要:
2019/05/21 に公開
お陰様で重版御礼!戦略で読み解く日本合戦史 (PHP新書) 海上知明
https://amzn.to/2XvJ47e

先だってこちらで、
平家物語や源平盛衰記、義経記といった軍記物に描出された義経をはじめとする英雄群像にも、(歴史の真実とか真相とか本当は○○だったとかとかとは別に、またはそれ「以前」に)、それはそれとして、子どもの頃から親しんでおく価値が大いにあるとは言えるのでしょうか。
などと言いだし、勢いで、ラジオ紙芝居~なるものを視聴し始めましたが。
「平家物語」とならぶ軍記物の名作といえば、(人によりけりでいろいろあるかもしれませんが)、まあ、何はなくとも上位に入るだろうと衆目が一致するのは、「太平記」でしょうか。

中でも一番人気は楠正成。

戦後の扱いはアレですが、戦前はほぼ神格化されていたわけで……
それはそれでよいですし、むしろ、取り戻すべき「日本」のピースに違いありませんが。

ただ、日本人の悪いクセというべきか、あるいは日本に限らずよくあることと言うべきか、偉人を称賛しだすと、いつの間にか実際の業績そっちのけで「人格」の称揚一辺倒になり、尾ひれがついてカンペキ超人の聖人君子に仕立て上げてしまう……という例がいくつか思い浮かぶような気がしないでもありません。
特に前人未到のその業績が、前人未到ゆえに、容易に理解しづらければ、なおのこと。
本当は何がエライのか、そんじょそこらのボンクラには理解できないにもかかわらず、とりあえず知ったかぶりはしなければならないということで、どんなバカでも理解できるレベルの(かつ、また、何とでもコジツケ可能な)精神訓話のレベルに落としこむ、という塩梅で……下手をすると、業績はゴミだが人格はサイコー、と、いつの間にか本末転倒なデタラメまで流布されかねません。

旅順攻略の英雄・乃木閣下などはある意味、その典型でしょうか。
こちらでも触れた長岡外史という……人を見る目のカケラもないボンクラ中のボンクラですが、一応、プロの軍人であるにもかかわらず、乃木の偉さをカケラも理解できなかったがために、あたら英雄を司馬ナンチャラいう国賊のオモチャに堕さしめるきっかけを作りました。
戦争下手の人格者、という……根も葉もない反日プロパガンダに、いまだに騙されている低能が実在する、何とも嘆かわしいありさまです。

楠正成は、さすがに「戦争下手」などという嘘八百まで流布されるには至っていないようですが。
しかし、それでは、正成の軍事的才能とはいかなるものだったのか。彼はどのような点で戦巧者なのか。その巧さのキモは何か。そも、彼は「戦術家」なのか、「戦略家」なのか? それが十分に理解され、解明されているかというと、もとより物語と史実の境界も見定めなければならず、なかなか、雲をつかむような話ではあるかもしれません。

その点、海上知明氏の分析がどれくらい妥当なのか、私ごときにはわかりませんし、容易に「正解」にたどり着けるわけでもないかもしれませんが。少なくともその心意気というか、方向性というか、切り口というかは、ちょっと読んでみようかと思わせるくらいには、興味をそそるものではあるのではないでしょうか。

兵だけ強くても、「戦闘」だけが強くても、「戦争」に勝てる保証はない。。
帝国陸海軍は元より、「現場は優秀」な自衛隊の存在も頭をよぎる話です。
弱兵を率いて強兵を破った、それも何度も破った正成の発想。それこそ、「武士道」の「美学」からいえば、セコかったり、ズルかったり、卑怯でさえありうるかもしれない、「勝つ」ための容赦のない合理性や行動原理は、いろいろな意味で、分析のしがいがありそうかもしれません?

正成も、やはり、乃木閣下同様に、道徳の教科書的な「人格者」としての称賛も受けてきた人物ですし、そのこと自体に問題があるわけではないのですが……戦後レジームの脱却云々をようやく口にできる時代になってきた昨今。日本の軍事的英雄を再評価するにあたっても、その能力・業績の具体的分析をおろそかにして、人格の高潔さ「だけ」を褒めちぎっておればよいというような、安易な精神論に偏らないよう、注意は必要な気はしないでもないのです。
(揚げ足を取られる前に言っておきますが、もちろん、人格の高潔さ「も」重要デスヨ? 正成の実像は実像として、語り継がれてきた虚像もまた、正成自身というよりは、それを語り伝えてきた「日本人」の「こころ」のありようについて、多くを語ってくれるに違いありません)

Amazon:戦略で読み解く日本合戦史
楽天ブックス:戦略で読み解く日本合戦史 (PHP新書) [ 海上 知明 ]
Amazon:
教科書が教えない楠木正成
楠木正成・正行 (シリーズ・実像に迫る6)
倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々
posted by 蘇芳 at 00:32| 南北朝・室町時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする