出雲市YouTube公式チャンネル から。
動画概要:
2018/07/23 に公開
出雲市の観光の魅力を国内外に広くPRし、本市の認知度アップ、観光誘客促進を図ることを目的とし、PR映像を制作しました。(言語:日本語)
日本遺産に認定された美しい出雲の夕日の風景をぜひご覧ください。
日本遺産ポータルサイト:日が沈む聖地出雲
こちらでも書いた通り、無駄に対立煽りが現れやすい出雲ですが……
夕日の沈む西方を、朝日が昇る東方と対になった形で観念し、しかもそこに死者の魂が赴くという世界観は、沖縄のニライ信仰にも見られる構造だそうです。
久高島では太陽の出ずる方向は聖なるところ、神々の空間であって、これに対して太陽の没する方向は俗なるところで、死者供養、害虫祓いの儀礼がおこなわれるところであった。太陽は没するとティダガアナという太陽の穴に入り、地底をくぐり抜けて東方に至る。そういう太陽の循環が考えられていて、それにあてはめて、上昇した魂はまっすぐそのまま東方のあの世へ行くのではなく、太陽の没する軌道に沿って、つまり地底をくぐり抜けて東方のあの世に行くということから、葬所が太陽の没する方に自然に想定されたのであろう。
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これをそのまま、出雲が根の国・黄泉国と観念されてきたことの説明として読みかえても、普通に納得がいきそうに思うのは私だけでしょうか。伊邪那美の物語に見るように不浄なイメージで語られる黄泉国と、清浄な理想境と見なされやすい常世国。共に死後世界と観念されながら、一見似ても似つかない、その二つの他界の関係さえ、この説明なら、つじつまが合いそうでもあります。こちらなどでくりかえし考えてきたように、初代神武天皇の誕生へと結実する日向三代の物語が、バナナ型説話や海神国訪問譚など、南洋系の信仰・説話との類縁を示していることは、今さら言うまでもありませんし……久高島の祭祀世界はもちろん、勾玉や縄文土器、琉球王国の「聞得大君」などあからさまに「妹の力」な祭祀制度など、沖縄もまたその「類縁」を色濃く共有していることは間違いないようにも思います。
したがって、朝日が昇る東方の海に面して、皇室の祖神を祀る、伊勢神宮が、ニライ的な観念と相性がよいのは当然とも思えますが。
対立煽りに利用されやすい出雲世界もまた、同じニライ的な観念の中に包含されうるのだとすれば……
反日勢力が願望する「対立」どころか、むしろ、出雲こそが、どの地方豪族よりも深く積極的に朝廷の神話世界に「参与」し、「融合」しようとさえしたのではないかという気もしてきます。
(それもひとつの「戦略」であるとは言えるかもしれませんが)
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