bunkachannel & awaji kuniumi から。
動画概要:
1)2017/03/06 に公開
2)2017/03/21 に公開
洲本市・南あわじ市・淡路市が申請したストーリー「『古事記』の冒頭を飾る「国生みの島・淡路」~古代国家を支えた海人の営み~」は2016年4月、日本遺産に認定されました。淡路島に今なお点在する文化財とともに、悠久の歴史が紡ぎ出したドラマチックなストーリーをご紹介します。
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Awaji Island Japan Heritage | Ama who supported the ancient state
The opening chapter of the Kojiki (the oldest historical record of Japan), ‘The island of Kuniumi, Awaji: The Ama who supported the ancient state,’ submitted by the cities of Sumoto, Minamiawaji, and Awaji was recognized as Japan Heritage in April 2016. Here is information about the cultural properties still found here and there in Awaji Island and the dramatic story woven by the island’s long history.
日本遺産ポータルサイト:『古事記』の冒頭を飾る「国生みの島・淡路」
最初の出産に失敗(蛭子が生まれた)した伊邪那岐命と伊邪那美命が、天つ神に相談してやりなおし、成功した出産で、最初に生まれた子供が、淡路島。島そのものについて、「古事記」には、それ以上の詳しい記述はありませんが……国生みで最初に生まれたのが、本州でも四国でも九州でも北海道でも沖縄でもなく、淡路島だったことには、やはり、何らかの意味はあったのかもしれません(それが何かと言われても困りますが)。
日本人というと一昔(二、三昔?)前までは稲作文化を主軸に語られることがどうしても多かったですし、それはそれで間違いなく重要でしょうが。
しかし、斎庭稲穂の神勅以来、わが国に米・稲をもたらした皇室が、同時に、海と縁の深い日向時代の伝承を持つことも決してゆるがせにしてはならない側面でしょう。
太陽神(天照大神)の子孫であり、穀霊(瓊瓊杵尊)の子孫であり、同時に海神(豊玉姫・玉依姫)の子孫でもあるのが、神武天皇。その東征ルートのほとんどは海上ですし、海人にちなんだ地名もルート上の各所に点在しているとか。
天照大神をお祀りする伊勢神宮が、稲作の神事で一年を刻むお宮であると同時に、朝日の上る東の海に面したお社でもあることを、思いだしてみてもよいかもいしれません(こちらで見たようにいわゆる元伊勢にも海辺のお宮がいくつもありますし、斎宮が営まれたのも大淀の海に面したあたりでした)。
そんな難しく考えなくとも、「島国」ニッポンが、海の文化を抜きにして語れない国であることは、むしろ、当然すぎるほど当然でもあるでしょう。
そして、稲作にせよ、航海・漁労にせよ、文化の発達は、道具の洗練・進歩を促してしかるべきかもしれません。
こちらには「スズ鉄」なども登場しましたが……海幸・山幸の神話に登場する「釣り針」はいったいどんな素材で作られていたでしょうか? (古事記には、失った釣り針の代わりにと、山幸彦が「剣」を潰して釣り針を作った挿話があります)
二~三昔前には、狩猟採集生活から稲作へ~と語られることが多かったいわゆる「弥生時代」(このカテゴライズ自体そろそろ妥当性を見なおした方が良いような気がしないでもないですが)が、海人と金属という新鮮な切り口で語られうるようになってきたことには、知的な興趣をそそってやまないものがあるかもしれません。
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淡路島の古代・中世研究
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