2018年04月06日

【動画】「トオサン」の桜


こちらで軽く触れておいた「トオサン」、王海清さんのエピソード。
youtubeの動画を二つほど貼っておきます。





動画概要:
1)2009/09/25 に公開
思いっきり季節外れですみません

2)2016/09/22 に公開
●・書評:「トオサンの桜 ~散りゆく台湾の中の日本~」
https://ameblo.jp/lancer1/entry-10072827945.html

●トオサンの桜(多桑的櫻)-散りゆく台湾の中の日本-
http://ilha-formosa.org/?p=6072

桜の品種もいろいろですが、日本で桜といえばやはりまずは何をおいても染井吉野でしょうか。
ところでその染井吉野は、こちらの動画でも言われていた通り、基本、挿し木・接ぎ木で増やすクローンです。種子ができることはあるようですが、自家受粉はしないため、それはあくまで雑種交配の結果であって、植えても厳密な意味で染井吉野にはならないのだとか。
そもそも、染井吉野は暑さに弱い品種で、沖縄には咲いていない、と、その動画では言われていました。

では、今回の動画で、沖縄より南の台湾に美しく咲いているという、種から育てた桜とは、いったい、どんな桜なのか?

こちらで推測したように緋寒桜という可能性もないではないかもしれませんが、旅行サイト等によれば
台湾固有のものから日本統治時代に植樹されたものや日本と台湾の掛け合わせの品種をはじめ、富士桜、八重桜、河津桜など、たくさんの品種が見られますhttps://www.travelbook.co.jp/topic/5717
だそうですから、簡単に断定はできないようです。
ただ、上の二本の動画を見るかぎり、イメージ画像は別にして、実際の現地の画像らしきものに写っている桜は、やはり、かなり赤みが強いもののようには思えます。

たくさんある桜の品種の、どれが一番かなどと競い合う必要はありませんが……
染井吉野より色の濃い桜には、やはり、同じ桜であると同時に、別の桜でもある、微妙なニュアンスの輻輳を感じないでもありません。
それは「日本精神」の象徴であると同時に、すでにして「台湾精神」の象徴でもあるのではないでしょうか。

日本(というより〝かつての”日本)を熱烈に愛してくれる台湾人のエピソードは、他にもいくつもありますし、ネットのおかげですいぶんと人口に膾炙したエピソードもあるようです。
それはそれで喜ばしいのですが、しかし、また、(あくまで個人的な感覚ですが)、そういう挿話に接するたび、ありがたいと同時に、彼らの瞳をまっすぐに見つめ返すことができないような、気恥ずかしさ・バツの悪さを感じることもしばしばです。
日本人より日本人らしい、とは、よく言ったものですが、彼ら台湾人の日本精神こそが、腑抜けた戦後の日本人にとっては、むしろ、まぶしすぎるのかもしれません。

台湾関連の「美談」に日本スゴイといい気になるのは簡単ですが……同時に、そのスゴイ日本はどこへ行ってしまったのだと、忸怩たる思いにかられることも少なくありませんし、台湾の方が日本を愛してくれればくれるほど、戦後の歪んだ日本が、それに対してどう答えることができるのか、考えさせられることもあります。
産経ニュース:
【紅い統一工作(上)】「中国が2020年までに台湾侵攻の準備を終える」 暴かれた習近平指導部の計画 「尖閣諸島奪還は2040~45年」
【正論】広辞苑の台湾記述は誤りである 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫
日本の桜も、台湾の桜に負けない美しさで、今も、これからも、咲き誇ることができるのか?
赤く華やかな台湾の桜には、何か、いろいろなものをつきつけられているようにも、感じるのです。

Amazon:
トオサンの桜 散りゆく台湾の中の日本
台湾人と日本精神(リップンチェンシン)―日本人よ胸をはりなさい
愛する日本の孫たちへ (かつて日本人だった台湾日本語族の証言集 1)
母国は日本、祖国は台湾―或る日本語族台湾人の告白 (シリーズ日本人の誇り 3)
日本人はとても素敵だった―忘れ去られようとしている日本国という名を持っていた台湾人の心象風景 (シリーズ日本人の誇り)
ラベル:台湾
posted by 蘇芳 at 21:18| 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする