2018年03月26日

【動画】中学唱歌「豊太閤」


滝廉太郎の作曲による中学唱歌。
「荒城月」「箱根八里」と同じ機会に作曲され、応募され、採用された一曲とのことですが、前二曲に比べると耳にする機会は格段に少ない……ような気がするのは気のせいでせうか。
瀧廉太郎作品集など戦後のCDにもかろうじて収録はされているようで、もっと聴く機会が少ない他のいくつかの滝作品に比べれば、まだしも恵まれているほうかもしれませんが)。


動画概要:
2014/08/15 に公開
作曲: 瀧 廉太郎
作歌: 外山正一

明治34年(1901年)3月30日東京音楽学校から、中学の教科書用に『中學唱歌』が出版されました。編纂にあたり専門家への委嘱および一般公募により約200曲の中から38曲が選ばれました。廉太郎も3曲(一人3曲までの制約があった)応募し3曲とも選ばれました。

『荒城月』 『箱根八里』 『豊太閤』の3曲です。

この出版の1ヶ月後『中學唱歌披露演奏会』が開かれ、38曲の中から13曲が演奏されました。その際この3曲も選ばれ特に『荒城の月』 『箱根八里』は、大変好評だったそうです。

こちらでもチラッと触れた通り織田信長や豊臣秀吉が再評価され、神社が創祀されたり再建されたりしたのも、明治という時代の一側面でした。
しかし、その「再評価」の具体的な内実については、専門家でもないかぎり、実際に何が行われ、どの程度にまで波及したのか、よくわからない気がしないでもありません。

そんななか、秀吉を「皇国」の英雄として描きだすこの唱歌が、学校教育の現場に採用されたことは、時代の証言として、決して無価値ではない史実ではないでしょうか。

夭折の天才作曲家・滝廉太郎は、前回も書いた通り、明治12年~36年、富国強兵、日清戦争、臥薪嘗胆の時代を生きた〝時代の子”でもありました。
そんな滝廉太郎が、
御門の震襟初めて安し
國家の隆盛是より興る
何より重きは國家の名譽
振ひに振ひし日本の国威
輝き揚りし皇國の國旗
などなど、いかにも反日勢力が発狂しそうな歌詞に曲をつけて、学校教育の現場で子供たちに歌わせるべく、公募に応じたことは、ごく自然に了解可能ななりゆきのように思えますし、右や左の趣味嗜好や政治的意図とは無関係に、まずはファクトとして尊重されるべきことのように思えます。

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ラベル:音楽 唱歌
posted by 蘇芳 at 14:39| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする