チャンネルくららから。
動画概要:
2017/12/02 に公開
★お陰様で重版となりました!『工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史 』(講談社+α新書)倉山 満著: http://amzn.to/2zWVpt9
この男、日本を揺さぶり、時代をこじ開けた!
日本人に最も愛される偉人の「大河ドラマ」では決して描かれない陰の貌。明治維新150年の我が国の計を、今、西郷が問う。
人脈を張り巡らし、相手を己の意思で動かすために情報を集め、周到かつ果敢に駆け引きに臨む――。偉丈夫のイメージに隠された「工作員」という新たな西郷像を軸に繙かれる、激動の幕末維新史。
◎目次
はじめに
第一章 インテリジェンスの基礎固め
第二章 若いうちに人脈を作る
第三章 挫折した時の勉強こそが糧
第四章 時代を動かす
第五章 最大の友に殺される悲劇
倉山氏があまり喋っていないせいか、ちゃんと本の魅力が伝わる動画になっていたような気がします。
名前だけ有名な人がたくさん登場する幕末維新ですが、それだけではなぜ維新が起きたのかわからないというのはまさにそのとおりで。それぞれの志士の「動機」というのは今一つハッキリ語られないことが多い気はします。
「大河ドラマ」的には日本の将来を憂えていた~と抽象論ですまされたり雰囲気でスルーさたりしてしまいがちかもしれませんが。憂国愛国の志自体は、いわゆる「朝敵」側も同じでしょう。路線が違うだけ。(だからどちらを主人公にしても「大河ドラマ」は作れる)
肝心なのはその路線の違いはなぜ生じたか? 日本の将来のためにそれぞれの登場人物は「何」が必要だと考えたか? 「なぜ」そう考えたか? ではないでしょうか。
そして「日本の将来」を考えるためには、当時日本が置かれていた国際環境への認識が欠かせませんし、そうして考え付いた政策を実現するためには、国内の政治力学のなかでうまく立ち回らなければなりません。
その両方の観点から、維新の中核にあった立役者たちの行動の真実に迫るというのが単なる身内びいきの誇大宣伝ではないのなら、興味深くはあるでしょう。
宮脇氏がさらっと言及している「水戸」にしても、水戸学だの天狗党騒乱だの、名前だけは有名ですが、水戸水戸と連呼されるのはわりと幕末維新史の前半だけで、いよいよ討幕という頃にはさっぱり「水戸」の二文字を見かけなくなってしまいます。
いったい水戸の役割は何だったのか? そもそも水戸はどこへ行ったのか? こちらのシリーズでくりかえし言及した水戸斉昭と一橋慶喜の関係(実の父子)から安政の大獄~桜田門外の変~文久の改革という流れを知っておかないと、なかなか理解しにくいでしょう。
また、その流れを押さえておかないと、幕末テロ抗争の理解そのものが支離滅裂になるかもしれません。(井伊直弼に「長州」の吉田松陰が殺されたので「水戸」の浪士が決起しました~などはその最たるものか)
しかしてその流れを理解してしまうと、まさにその流れの中にあって、水戸と良好な関係を保ち、文久の改革で一橋派の復権に貢献もした薩摩藩が、やがて英国と同盟し、長州と盟約し、武力討幕に走る経緯が、今度はあらためて「謎」として立ちはだかります。
というより、むしろ、ようやくその「謎」の存在が理解できるようになる、というべきでしょうか。
(1866年薩長同盟締結~と丸暗記しているだけでは、それがどれほどの「事件」だったのかさえわかりません)
その「謎」の渦中にあった薩摩側の中心人物がまさに西郷であり大久保だったわけですから……
その行動の「意味」が、国際社会の政治力学+国内の政治力学+国際法、の視点で解き明かされるというのなら、歴史ファン必読というところかもしれません?
江崎センセー、他人事だと思ってそんなハードル上げていいのですかという気がしないでもありませんがw
「月間くらら」、一気にすべて購入というわけにもいきませんが、江崎氏の「日本は誰と戦ったのか」の次の一冊としてとりあえず候補に入れておこうかと思います。。
( 「日米開戦の真実~隠蔽された近衛文麿の戦争責任」も買わないといけませんが💦)
Amazon:工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史 (講談社+α新書)
楽天ブックス:工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史 (講談社+α新書) [ 倉山 満 ]
Amazon:
嘘だらけの日英近現代史 (扶桑社新書)
パクス・ブリタニカのイギリス外交―パーマストンと会議外交の時代
日本は誰と戦ったのか
真実の日米開戦 隠蔽された近衛文麿の戦争責任
封印された中国近現代史
ラベル:「工作員・西郷隆盛」 江戸時代