2017年10月15日

【動画】山形県民歌「最上川」

広き野をながれゆけども最上川海に入るまでにごらざりけり (昭和天皇)
こちらはちゃんと県民歌。紆余曲折あって昭和57年に正式制定されたとか。
それだけにyoutubeにも複数の音源が上がっているようで、こちらとは違って探すのにもさほど苦労しないらしい。昭和天皇の御製が今でも様々な場面で親しまれつづけている光景は、見ているだけでも心がなごむ、佳いものだ。











動画概要:
1)2017/05/20 に公開
2017年5月17日、東京都江東区のティアラこうとうで開催された、山形市立第六中学校生徒達による学習成果発表会です

2)2016/06/29 に公開
2016/6/25(土)、高畠町松岩院で行われた生音ライブの映像。

3)2014/02/21 に公開
スキー国体の開始式の様子

4)2016/04/23 に公開
★YBC山形放送テレビ オープニング 山形県民の歌「最上川」★
山形メディアタワー、 山形県民の歌「最上川」
Wikipedia:最上川 (曲)
山形県ホームページ:
山形県民の歌「最上川」
山形県民の歌

天皇方におかせられても、武家の時代には、御所の外へは一歩もお出ましにならぬ/なれぬというほどに御窮屈な状況にあまんじられた時期があったと聞くが、むろん、それは本来の真姿ではない。

神武天皇の昔から、古来、天皇は数々の旅をなさってきた。景行天皇や仲哀天皇の征西、壬申の乱、南北朝動乱など戦乱に伴う旅もあれば、都に入るまでに各地を転々とされた継体天皇、遷都先を求めて巡幸された聖武天皇などの例もある。淳仁天皇や安徳天皇、承久の三上皇などおいたわしい「旅」もあった。そうかと思えば、湯治をお楽しみになった斉明天皇や、賀茂や石清水行幸など遊山をかねた楽しい「旅」もあるだろう。

いや、何も日本にかぎらない。西洋にも移動宮廷の事例があり、とかく君主とは旅をする存在であるらしい。
君主が国家の主であるとするなら、自分の国を隅々まで見て回り、承知しておくことは、権利である以上に、半ば義務でもあるのだろうか。
とりわけ日本において、それは「国見」という儀礼として確立されてもいるようだ。

天皇が国を治めたまうことを「しらす」「しろしめす」というが、「しらす」とは「知る」ことであり、「知る」ことは「見る」ことによって成就されるのだろうか。
 天皇、香具山に登りて望国したまふ時の御製歌

大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ 美し国ぞ 蜻蛉島 大和の国は 
(舒明天皇)
天皇が国の姿をご覧になり、祝福の言挙げ(言祝ぎ≒寿ぎ)を行われることによって、五穀の豊穣や民の平安が約束されるという、そこには呪術的な意味もあるらしい。

明治天皇の六大巡幸、大正天皇の皇太子時代の数々の行啓、昭和天皇の欧州歴訪、戦後全国御巡幸、など、維新この方、近代の天皇方は、とりわけ旅につぐ旅を経ておいでになった。今上陛下に至っては、これまでに踏破あそばされた行幸の総行程が、いったいどれほどの距離になることか、それこそ想像もつくまい。

そうした「旅」は、また、数々の御製が生まれる機会でもあり、そこで生まれた叙景の歌は、天皇が国の姿をご覧になり、言挙げをされ、寿がれる(言祝がれる)という意味で、まさしく「国見」の一種に違いない。
前回の立山も、この「最上川」もそうした「国見」の歌の一首だろうか。(もちろん、あくまで摂政宮時代の御歌ではあるのだけれど)

大正十四年十月、陸軍大演習統監のため行啓あそばされた摂政宮が、翌大正十五年の歌会始で御発表あらせられた御歌とのこと。勅題は「河水清」。
広き野をながれゆけども最上川海に入るまでにごらざりけり
歌意は一読明瞭だが、川の流れというのはやはり人生行路の比喩になりやすい。叙景の歌であると同時に、ついつい、そこに人生訓の響きを聞きとってしまうのは、無理からぬ話だろう。
流れ流れて、その途中にはいろいろあるだろうが、末に至るまで「にごらざりけり」。
人も国もかくあれかし、かくあらまほし、との祈りにも似た思いが、そこに込められてでもいるだろうか?

奇しくも、御歌が発表された十五年は、大正最後の年。
同年12月25日、聖上崩御。
改元して昭和元年。
昭和の御代はここに始まる。
それは日本史上類例を見ない激動の御代であり、かつ、在位期間は歴代最長ともなった。

まさか事前にそんな見立てをされたわけでもあるまいが、振り返ってみれば、それこそ昭和というのは「大河」のようだ。その「河水」は、はたして、濁ったか、濁らなかったか……人それぞれ、どこに着目するかによって、答えは違ってくるかもしれないが。
少なくとも昭和天皇その人に関して申し上げるならば、驚くべき一貫性を以て、末の末まで決して「濁る」ことのない御生涯をまっとうされたのではなかっただろうか。
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歌人・今上天皇 (1976年)
昭和天皇のおほみうた―御製に仰ぐご生涯
posted by 蘇芳 at 21:20| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする