2017年09月02日

【動画】『経済で読み解く明治維新』 第3回「黒船来襲と不平等条約」


チャンネルくららから。


動画概要:
2016/04/11 に公開
なぜ江戸幕府は「倒産」してしまったのか?「貨幣量」で政策を解説します!
4月9日新発売!『経済で読み解く明治維新』http://amzn.to/2vA78f9

幕末の為替レートの話は有名ですが、
wiki:幕末の通貨問題
倉山氏の言う通り、それがどういう問題で、幕末維新にどういう影響を与えたのか、今一つ脈絡がわかりにくい気はします。

ただ、江戸時代というのは200年以上も安定した政権が続いて、その間ずっと貨幣経済、市場経済、信用経済が発展しつづけていたりもしたわけで。
wikiソースで恐縮ですが「世界初の整備された先物取引市場」は堂島米会所だとか。ローソク足は今でも使われている~とかはその筋ではよく聞く自慢。
ある意味、江戸期ニッポンというのは信用経済先進国でもあったのかもしれません?

当然、為替レートのからくりにもすぐに気づくというか、気づく以前に予想もできたというか。
国富の流出を憂える人士は、そんじょそこらにいくらでも湧いてきたのではないでしょうか。

テロやクーデターにも元手は必要。幕末の志士には支援者となった商人などもいたわけですが……彼ら憂国の経済人の目に、この国富流出はどれほど屈辱的なものに映じたか?
「不平等条約」の「不平等」は、私たちの多くにとってはぶっちゃけ試験の暗記項目でしかないかもしれませんが、同時代の憂国の経済人士には死活の問題だったかもしれません。

そして、wikiに見るように、金の流出自体が条約原案の変更を求めた幕府のオウンゴールであり、しかもその結果、金流出が起きるだろうことも幕府は予想していた。にもかかわらず、列強の圧力に屈して有効な防止策を実施することができなかった、となれば、怒りの矛先が、夷敵のみならず、幕府にも向かうことは必然だったかもしれません。
もっとも、日米修好通商条約の原案では、日本通貨の輸出は禁じられており、従って原案通りであれば金の流出は起こり得なかった。しかし、外貨と邦貨の交換を嫌った幕府は、国内における外貨の通用を許し、その代わり貨幣交換条件を削除することを申し出た。これに対してハリスは、いきなり外貨を通用させることは難しいと回答したが、幕府は通貨交換を1年間に限り、代わりに邦貨の輸出を認める再提案を行い、結局これが最終合意となった
結果、大量の金(小判)が海外に流出することになる
幕府は上記のような金の流出を予想していた。本来ならば、銀の量を増やした新しい一分銀を発行し、1ドル=一分となるようにすれば問題は解決する。しかしながら、そのような量の銀は国内には無かった。このため、外国奉行・水野忠徳の策により貿易取引に限定して、1ドル=一分となる新通貨を発行することとした
開港場では翌7月1日(6月2日)より1ドル銀貨との引き換えが始まったが、この二朱銀は開港場のみでしか通用せず、交換された貨幣が日本国内において一般に流通するものではなく、かつ1ドル銀貨の日本国内での購買力を1/3に低下させるというこの政策にハリスおよびオールコックら外国人領事は条約違反であると強く抗議し、7月21日(6月22日)、結局幕府は1ドル銀貨を一分銀3枚で引き換えるよう開港場奉行に申し渡し翌日に通用が停止された。

知ったかぶって行動経済学など持ちだすまでもなく、経済は感情で動く、とも言います。
(理性で動くのなら、「見えざる手」がもっと完璧に機能して、暴落もバブルも起きないはず)
となれば、国富の流出はそれ自体、問題ではあったでしょうが、それ以上に、国富流出に対する「感情」こそが、幕末の政局をより大きく揺り動かしていく、ということも、あるいはあったのかもしれません?

こちらが経済オンチなせいで、動画だけだと結局何が言いたいのか今一つピンときませんし、上手いコメントもできませんが……そのあたりが理解さえできれば、面白く読めそうな著書ではあるのかもしれません。
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追記:
考えてみればソ連も経済で崩壊しましたし、経済というのは地味ながら殺傷力のある武器にもなりうる。のでしょうか。
経済制裁は、ときに大きな効果をもたらすことがある。
八〇年代後半、各国が次々に制裁に踏み切ると、国際的に孤立した南アの白人政権は、黒人との融和を目指さざるを得なくなった。
国連が一連の経済制裁を解除したのが九三年、南アでの初の黒人政権が誕生したのは、その翌年のことである。
「慎重派」が決まってもちだす理屈がある。経済制裁に踏み切った場合、相手の報復を受ける覚悟があるのか、また、相手がどう出てくるかについての綿密な計算があるのか、というものだ。
 一見もっともらしく聞こえるが、覚悟が必要なのはこちらではなく、北朝鮮のほうなのである。あなたたちが誠意ある回答を示さなければ、日本は最終的に経済制裁をしますよ。生活が苦しくなるし、政権が揺らぐかもしれない。これを受けて立つ覚悟があなたたちにありますか――日本のほうがそう彼らに突きつけているのであって、けっしてその逆ではない。
 二つ目の、綿密な計算があるのかどうか。これもわれわれよりは、北朝鮮のほうに突きつけるべき問いだろう。日本に経済制裁されたとき、あなたたちに成算はあるのか、と。
 日本は北朝鮮に経済制裁をおこなっても、エネルギーには困らないし、生活にも困らない。社会がひどい混乱におちいる危険性もゼロである。

「社会がひどい混乱におちいる危険性」が完全にゼロかというと国内にはびこるアレの問題があるわけですが。一応、その後、テロ三法も共謀罪もできたわけですね……
最初の「美しい国へ (文春新書)」の出版が2006年。考える人はちゃんとそのころから考えていたのかもしれません。(まあ、上の「北朝鮮」にはむしろ別の国名を代入したい気もしますがw)