チャンネルくららから。
wiki:天保の改革
未読の本を引き合いに出すのも恐縮ですが、たまたまAmazonで見かけた「近現代日本史と歴史学 - 書き替えられてきた過去 (中公新書)」の商品説明には、
近代日本の始まりは、ペリー来航ではなく、かつては天保の改革とされていたという一文があるようです。
出版社側の無責任な煽り文句ですから話半分でもよいですが……
今回の動画を見たうえでなら、なるほど、そういう解釈もありうるのかもしれないという気はしないでもありません(本来の意味とはベクトルが正反対かもしれませんが)。
幕府側から見れば要するに失敗した改革ですから、幕政の衰退を早めたという面はあるかもしれません。
その一方で、今回の冒頭と前回の動画で言われているように、有為の志士たちはすでに危機の自覚から様々な改革を唱え始めていたわけです。島津など大名たちは実際に藩政改革に着手することもできましたし、成功させてもいるようです。
幕府権力が商業資本の前に自己の政策を貫徹できなかったという、幕藩体制にとっては悪しき先例を残す結果となり、幕府衰退を早めたとする見方もある。幕府の衰退と雄藩の躍進。その分水嶺がこの時代、という見方も、できなくはない。のでしょうか?
これに対して、同時期に長州藩や薩摩藩はそれぞれ国情に応じた改革を実行した。その成果によって藩の財政は改善され、幕末には雄藩と言われるほどの力を得ることができた
(くりかえしますが、「近代日本の始まり」を「天保の改革」としていたというかつての史学説とやらの、本来の意味とはまったく違うかもしれません)
何にせよ、幕末日本に限らず、経済政策の失敗が社会を不安定化させ、政権転覆の危機を招いた事例は、歴史上、枚挙に暇がないでしょう。
先の大戦の前夜にも世界恐慌があり、経済政策に失敗した保守政治家が失脚し、左翼政党が力を得るような光景は欧米各国で見られたかと。
特に米国において、共和党の愛国者だったフーヴァー大統領がこれといった経済政策を打ちだすことができず、人類の敵F・ルーズベルトに選挙で大敗を喫したことは、日米両国民のみならず、人類にとっての一大悲劇でした。
(FDRのいわゆるニューディール政策も社会主義政策の一種であり、実際には成功などしていなかったことは、ハミルトン・フィッシュなどの言う通りですからなおさらです。FDRがその真相を糊塗するために戦争を煽った面もあるとすれば、米国民は騙され損もいいところでしょう。左翼売国政治屋というものは、本当は失敗しているくせにあたかも成功している「かのように」見せかける、そのペテンの手口には長けているようです)
戦前日本においても、エリートの多くが左翼思想に染まってしまった、その遠因は、農村等庶民の窮乏と、それに対する「政党政治」の無為無策に対して、社会主義思想がその解決策(のようなもの)をもっともらしく提示したことにあったのではなかったでしょうか。
政治的には正しいが経済音痴な愛国保守政治家、 vs 政治的に邪悪であるうえに経済的にも本当はデタラメだが、あたかも正しい「かのように」偽装することにたけた左翼・コミンテルンの手先、
前者を支持して貧乏になるか?
後者に騙されて現世に地獄を現出するか?
これはこれで究極の選択ですが、その選択を強いられた選挙民というのも、戦前の各国にはいたのかもしれません。
現代においてそれをくりかえさないためには、後者の邪悪と欺瞞を明らかにすると同時に、前者に経済政策を学んでもらうこと、そして有権者が敵の扇動工作に騙されないだけのリテラシーを身につけること、などが必要になってくるのかもしれません。
江戸時代から話がそれて恐縮ですが……
動画タイトルはあくまで、世界と戦った日本人の「近現代史」だそうですので、その「戦い」は現代においてもなお、終わってなどいないのかもしれない。ということで、ひとつ。
保守速報:
・「アベノミクスは正しかった」GDP年率2.2%増、FT・ブルームバーグなど海外メディアが安倍首相の手腕を再評価
・中日(東京)新聞「最低賃金アップはアベノミクスの成果だと?遅ぇぞ1000円にしろ」⇒ 中日新聞の時給910円
Amazon:
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ラベル:「世界と戦った日本人の近現代史」 江戸時代