動画の話題からは逸れますが。
「政体」と「国体」をめぐる問題として、個人的に忘るべからざると思うのは、天皇機関説論争。
昭和天皇ご自身も支持された、美濃部達吉の常識的な見解を、ヒステリックに攻撃した勢力の正体は何だったのか。いわゆる軍部=右翼という左翼反日捏造自虐史観の「定説」「常識」は疑ってもよさそうに思います。
何となれば、上杉慎吉らの天皇主権説の論理的帰結は、「政体」と「国体」の分離を自明の前提とする明治立憲体制そのものの「破壊」「否定」以外にありえないだろうからです。
その「破壊」こそが赤い青年将校たちの目指した昭和維新だというのなら、それこそは反社会・反秩序・反文明のアナーキズム以外の何だったのでしょうか?
彼らの中にも踊らされ騙された素朴な愛国者が相当に多かったのは間違いないところでしょうが、無知で素朴な愛国者をミスリードするために詭弁を弄した少数とはいえ確信犯が実在したこともまた、疑うべからざることのように思います。
戦後、「天皇主権」なる途方もない虚偽を以て明治憲法体制を誹謗中傷し、あまつさえ聖上陛下の「責任」の捏造をさえ企て続けたのが、どのような勢力でありどのようなロジックだったか……それを思うとき、日本と人類の「敵」の本性は、戦前・戦後で本質的には何ら変わっていないことが、予感されるのではないでしょうか。
戦後70年、ようやく、敵の正体がバレバレになり、騙される国民が減ってきた昨今ではありますが。
愛国者面をした侵略者に二度と再び騙されないよう、日本の国柄について、「国体」と「政体」の別について、国民が正しい認識を学習しておくことは、いよいよ重要になってくるでしょう。
何となれば、戦後レジームの脱却にせよ憲法改正にせよ、それらはもはや空疎なキャッチフレーズではなく、現実的な「課題」となりつつあるのでしょうから。
ラベル:「自主憲法を論ず」