2017年04月20日

【動画】じっくり学ぼう!世界近代史 第24回 17世紀の世界 イギリス革命はなぜ起こったか? ~エリザベス女王と暴君たち


チャンネルくららから「じっくり学ぼう!世界近代史」。


動画概要:
2015/07/27 に公開
世界史の流れがすばやくわかるチャンネルくらら近代史シリーズ
●17世紀イギリス革命はなぜ起こったか?
スペイン無敵艦隊を破ったエリザベス女王、ピューリタン弾圧でメイフラワー号アメリカへ、清教徒革命でチャールズ一世を処刑!

こちらで十七条憲法について書いたとき、さりげなくシェイクスピアを引用しておきましたが。
そのシェイクスピアが活躍した時代こそ、「ベスやん」の時代でした。
wiki:エリザベス朝

シェイクスピア劇については、日本では、悲劇だ喜劇だという区分のほうが幅を利かせていますが、表面的な劇の性格がどうであれ、そのほとんどの作品が「史劇」でもあることは意識しておきたいところ。
古代ローマなどもよく扱われますが、「ジョン王」に始まって、「リチャード」なら三世、二世、「ヘンリー」については四世、五世、六世、そして動画にチラッと登場した八世、と、英国の王様に取材した史劇は特に多いようです。
Amazon:ヘンリー八世 (白水Uブックス (37))
wiki:ヘンリー八世 (シェイクスピア)
前後の作品に物語上のつながりはありませんし、内容的にも司馬史観どころではない史実無視のファンタジーですが。
単なる似非保守売国奴ではない、本物の詩人の手にかかれば、ファンタジーもまた、事実とは異なる真実を探求する試行くらいにはなりうるのかもしれません。
(「マクベス」のモデルは実在のスコットランド王ですが、ファンタジー色の強い同作品こそが、他の史劇を押しのけて四代悲劇の一つに数えられているのは、事実とは異なる創作物の価値について何かを語っているかもしれません)

シェイクスピアが描き続けた、王権≒社会秩序のグロテスクな崩壊の様相は、英国はもちろん、古代ローマやデンマークなど、舞台は変わっても、一貫した普遍的な「危機」を浮かび上がらせているようにも思います。
ああ、位階がくずれ去れば、
一切の偉大な計画へ通ずる梯がなくなれば、
事業は終わりです。社会の交わりが、
学校の学位が、都市の組合が、
海をへだてた国々の平和な貿易が、
長子の相続権や長上の特権が、
王冠や王笏や月桂冠の特権が、これら一切、
位階がなくて、
どうして正統な地位を保つことができましょうか?
差別を排し、その弦の調子を狂わせれば、
一切めちゃくちゃです。あらゆるものが対立し、
抗争します。陸地に囲まれた大海は
膨れあがって岸をのりこえ、
硬い地球全体を水びたしにします。
体力の強いものが弱いものを支配し、
乱暴な息子は父親をなぐり殺す。
力が正義となります。いや、むしろ正、不正
いずれも区別がなくなり、この二つのたえざる対立を
裁く正義もまた亡びます。
ウィリアム・シェイクスピア「トロイラスとクレシダ」
それはそれだけ、詩人の生きた時代・社会が、「当たり前が当たり前でな」いグロテスクな危機を、詩人の目につきつけてくる時代・社会だった、ということなのかもしれません。

そして、そうした「危機」のなかからこそ、変革への意志もまた、出現するのでしょうか。
その「変革」が、火に油を注ぐだけの結果に終わらなかった英国の歴史については、ネタ的に茶化すだけでなく、しっかり押さえておく必要がありそうです。
「当たり前が当たり前でなかった時代」を覚えておこうという決意だけでも大したものですし、何より、E・コークや、E・バークの偉大な法思想を生みだしたものもまた、こうした「危機」の経験と自覚と、克服への意志だったのかもしれないのですから。

なお、シェイクスピアの一連の「史劇」の最後を飾る「ヘンリー八世」の終幕は、エリザベス一世誕生の場面。アン・ブーリンの末路などいろいろ都合の悪い事実は一切合切捨象して、めでたく幕を下ろします。
そこには、作劇背景の政治的要請はもちろんあったにせよ、同時に、「危機」の終息を願う〝炭鉱のカナリア”の祈りのようなものも、込められているのかもしれません。

……若干、無理やりこじつけたような記事になりましたが💧
嘘だらけの日英近現代史 (扶桑社新書)
ヘンリー八世 (白水Uブックス (37))
羨望の炎―シェイクスピアと欲望の劇場 (叢書・ウニベルシタス)

追記:
国姓爺合戦というか鄭氏政権についてはこちらでも軽くwikiへのリンクを貼ったりもしましたが。
wiki:鄭氏政権 (台湾)
動画で言われているような「賢明」なことをするためには、まともな主権意識、まともな国家観、まともな国防力が当然に必要になるようです。
posted by 蘇芳 at 15:34| ・「じっくり学ぼう!世界近代史」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする