2017年03月22日

【動画】じっくり学ぼう!世界近代史 第20回 17世紀の世界 ウェストファリア体制①~神聖ローマ帝国の 死亡診断書


チャンネルくららから「じっくり学ぼう!世界近代史」。



「バランシング」は内輪の勢力均衡を作るのはいいですが、外敵が出現したときに困りますね。

こちらで幕府というのはあくまで内政統治システムであって、対外戦争用の国防システムでは「ない」と書きましたが。
上の動画に無理やり引き寄せて言うなら、幕府というのは諸大名の勢力均衡を測るバランシングシステムだったと言えないこともないかもしれません(あくまで徳川主導なのは措くとして)。
国の内側だけを見ていれば済む時代はそれでいいですが、外敵の侵略にシステム全体の存亡が脅かされるとき、バランシング≒足の引っ張り合いのシステムでは、対応などできるはずもありません。

考えてみれば、西欧諸国の侵略に対処した明治維新や、唐の侵略を防いだ天智・天武・持統天皇の律令国家建設はもちろん、動画で揶揄されている「天下布武」もこちらで見たスペイン・ポルトガルの悪逆非道との接近遭遇の時代でした。
外敵から日本全体の存立を守ること≒安全保障が問題になったとき、速やかに中央集権体制への移行をはかってきたのが、日本の歴史なのかもしれません。
(元寇を防いだのは鎌倉幕府ですから、例外的かもしれませんが……将軍の名前を誰も覚えていないような幕府が幕府として正常なのかどうかは議論の余地がありそうな気もします)

ウェストファリア体制も、本来は、同じ弱点を共有した欧州内部の内向きのシステムだったのではないでしょうか?
欧州はやがて世界にその「仁義」を押し付けていくことになり、それができるだけの「力」があった(上のリンク先にある大航海時代という世界侵略は30年戦争より古い話)ために、外敵に対する脆弱性が目立たないだけのことで、脆弱性そのものが存在しないわけではないでしょう。

仁義を守るのは制裁を受けないため、だそうですが……
その「制裁」という発想それ自体が、「村」八分的な内輪意識の共有を前提にしているような気がします(そもそも「同意法」だそうですから)
そのような内輪意識そのものを共有しない「外部」に存在する敵が、「同意」など意に介さない攻撃をしかけてきた場合、やはり内向きの「バランシング」はその弱点を露呈するのではないでしょうか。

現に今、ムスリムや不法移民、偽装難民という仁義を共有しない「外敵」に、内側から蚕食されつつあるのが、EUであるようにも思えなくはありません。
あるいはそれは、国際法を遵守する日本の「敵」が、常に、国際法を踏みにじるのを当然と考えるかの国々であることともパラレルな、事象なのかもしれません。

こちらで引用した夏目漱石の言葉(「夫だから善人は必ず負ける。君子は必ず負ける。醜を忌み悪を避ける者は必ず負ける。礼儀作法、人倫五常を重んずるものは必ず負ける」)をふと思い出します。
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