2017年02月14日

【動画】じっくり学ぼう!世界近代史 第5回「冷酷非情な常識人! マキャベリに学べ!!」


チャンネルくららから「じっくり学ぼう!世界近代史」。


動画概要:
2015/03/16 に公開
ルネサンス・宗教改革~近代リアリズムへの道!
マキャベリ『君主論』、チェーザレ・ボルジアも登場!

特にどうというほどのこともない、ざっと見ておけばよい動画ですが。
「国民軍の創設」についてはこちらで書いたことをチラッと思いだしてみたいかもしれません。

前回も書きましたが、幕府というのは、戦争に「勝つため」に作られた有事のシステムではありません。内戦に「勝った後」に国内を統治するために作られた平時のシステムです。
そんな平時のシステムでは、幕末の有事に対応できるわけがありません。
外敵の侵略を防いで国家の対外存立を確保するためには、あらためて有効に機能する有事のシステムを構築する必要があります。
幕末日本がその独立を守り抜くため、たとえ力づくにでも作り上げなければならなかった有事のシステムこそはこの「国民軍」にほかならなかったのではなかったでしょうか。
御一新とは、単なる「政体」の一新ではなく、それ以上に「軍隊」の一新をこそ急務としていたように思います。

ところで、日本において、外敵の侵略を防ぐ必要のもとで構築されたシステムの先例は、幕府よりもむしろ律令制でした。
こちらで見た通り、天智天皇・天武天皇の御代こそ、日本の国号を定め、国旗の原型が生まれ、数々の城を築いて防備を固め、日本の独立を守り抜いた時代であり、最初の「愛国」はこちらで見た通り持統天皇の御代のエピソード。
有事、という、律令国家成立のこの時代背景を見失ってはならないでしょう。

こちらをはじめ、保元平治の乱をめぐる一連の記事で考察したように、律令制における「公地公民制」とは(反日歴史教科書ではほとんど隠蔽されていますが)当然に「公軍」「国軍」の制を伴っていたはずであり、それこそは古代日本の「国民軍」だったのではないでしょうか(それが「外敵」から祖国を護るためのシステムであったとすれば、逆に「内側」からの腐敗・崩壊には弱かったことも、ある意味、納得がいくかもしれません)。

ともあれ、古代においてそのような「国民軍」の創設が可能だったということは、すなわち古代律令制日本が「国民国家」そのものであったということであり、そのような「国民」の観念を創出しえた思想的根拠こそ「八紘一宇」だったのではないか、とは、こちらをはじめ、当ブログでくりかえし述べてきたことです。

明治維新のいわゆる「王政復古」が、すなわち「領地領民」から「公地公民」への回帰であるとすれば、それが同時に、この「公軍」「国民軍」の復活をも意味していることは、けだし当然というべきかもしれません。
そう考えれば、明治新政府のスローガンが「神武肇国」であったことも、単に観念的にではなく、実利の面からも、理解しやすくなるのではないでしょうか。

国家の対外存立という「実利」を分析し追究した結論が、洋の東西を問わず「国民軍」≒「国民国家」の創設という点で一致しうる、というのなら、その結論にはある種の普遍性があると認めることができるでしょう。
「常識」とは、まさに、そうした「普遍性のある思考」のことをいうべきなのかもしれません。
新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)
ディスコルシ ローマ史論 (ちくま学芸文庫)
マキアヴェリ戦術論(新版)
戦争の技術 (ちくま学芸文庫)