2017年01月24日

【動画】徳川慶喜の幕末世界史 第11回「王政復古の大号令~小手先の改革では国を救えない!」


チャンネルくららから「徳川慶喜の幕末世界史」第11回。



抜本的改革か小手先の改革か、というのも大雑把な話で今一つ一般論すぎるというかスッキリしません。
私自身、こちらで、
結局のところ、体制の刷新を経なければ、条約改正もままならなかったのですから、いずれ幕藩体制の維持は不可能になっていたでしょう。が、それはつまり、徳川300年の既得権益に手をつけるということですから、徳川自身の手によって行うのは相当に困難だったのではないでしょうか。いずれにせよ、血を流さないわけにはいかなかったのかもしれません。
と書いておきましたので、一般論としての「抜本的改革」の正当性を否定したいわけではないですが……
このシリーズでは、旧態依然の幕府ではダメだ、という、説得力ある説明が食い足りないような気がしないでもありません。

そもそも倉山氏いわく、この時代の「イシュー」は外交だそうですが、その「外交」について、先見の明があったのは幕府でしょうか、薩長でしょうか。
動画で触れられている兵庫開港一つ取ってみても、つまるところ「国際公約」の「履行」ですよね? それを慶喜がやったわけですよね? 大政奉還は罠だったというのですから、つまるところ旧態依然の体制のままで、この「外交」が普通にできたわけです。
攘夷じゃーちぇすとー、と喚いて考えなしに外国にテロをしまくった薩長より、よほどまっとうな「外交」をやっていたのが、実は幕府であり、慶喜ではないか、とも言えそうです。
その「外交」のどこがダメなのか。外交が「イシュー」だというのなら、そこを説明しないことには始まらないのではないでしょうか。

「まっとう」ではダメだ「普通」ではダメだ、パワフルな馬鹿が世の中を変えるのだ、というのは俗受けする「一般論」ですし、実際、欧米というヤクザ相手にお行儀のいいお利口ちゃんのまっとうな「外交」をしていたところで最後には「合法的」に植民地化されるのがオチだと言うのは簡単ですが……それならそれでもう少し具体的な例証が欲しいところ。何せ幕末「世界史」を名乗っているシリーズなのですから……
たぶん、倉山氏の脳内にはちゃんとそうしたイメージや回答があるのではないかとも思うのですが、それだけに、説明の仕方か妙に隔靴掻痒なのがもどかしいです。
だいたい、17分もあるこの「世界史」の動画に、ガイジンの名前は何回出てきましたっけ?

「普通」の「まっとう」な「外交」で欧米に臨んだ日本以外の国々が、どのように騙され、侵され、奪われたのか……単なる勝ち馬史観でも判官贔屓史観でもなく、国家の「対外存立」という観点から幕末・維新を考えておくことは、重要であり必要であるように思います。
特に日本の目と鼻の先で起きたアヘン戦争のインパクトを同時代の志士と幕臣はそれぞれどう受け止めていたのか、それを押さえておかなければ、過激派サイドの危機感は理解しにくいようにも思うのですが……慶喜側からだと、やはり、そこは語りにくいのでしょうか?

慶喜の危機感のホドや、トップダウンによる改革の可能性、を考えてみれば、抜本的改革云々も一般論としてなるほどと思える議論ではあるのですが……もう少しツッコんだ説明が欲しいところではあります。次回はせめてもう少し「世界史」してくれないかなぁ、と期待したいところですね。
posted by 蘇芳 at 15:26|  L 「徳川慶喜の幕末世界史」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする