2016年10月12日

【動画】忘れ去れた台湾史 日本時代編 13


忘れ去れた台湾史」シリーズ。


動画概要:
2009/03/29 にアップロード
これは、台湾で放送する人気政論番組です。
この番組は、世間話で専門書を紹介しながら
日本時代を検証するので、多少凄いつっこみが出てきます。
出演者が、親日家で偏りもあると思いますが
台湾の方の日本に対する気持ちがよく現われています。

把打扰,辛苦台湾的各位上浇在,并且做日治时费。

战时非常感谢你和日本军一起勇敢地斗争。

日本人正爱台湾。

親日の台湾の皆様ありがとうございます。

支持!!
台日友好!
台灣加油!

ということで完結ですが。
残念ながらこの最後の動画だけ日本語字幕がありません。

ただ、まあ、漢字字幕はありますし、「維新」「天然瓦斯」など発音が日本と同じ単語もままあるようですので、細かい内容はわからなくても、だいたい何が話題になっているかくらいは読み取れるのではないかと。

冒頭では産業育成(工場の「非常現代化」)や女子教育の普及、発電所の建設(日本と支那の比較)など、これまでどおり日本の「建設」について語られているようですし、
やがておもむろに、「極東の小さな島国」が、日清日露をはじめ数々の戦争に連戦連勝、米国以外には一度として負けたことがない強国・大国になりえた驚異へと、話が進むようです。

そこで頻繁に登場するのが例によって「維新」「精神」の語ですが。
基本的には、法制や軍事技術などを海外に学んだ、その科学的・合理的精神が注目されているようです。
日本精神の合理性・科学性については、玉山の測量などをはじめ、この番組全編を通して、これまでもしばしば言及されてきました。
それはそれで間違ってはいないでしょうし、台湾「独立」という政治課題を考えたとき、手っ取り早く役に立ちそうな精神に注目が集まるのは、自然ではあろうかと思います。科学的・合理的な精神というのは、もっというなら功利的な精神でもあり、わかりやすく、学びやすいものに違いありません。

ただし、このシリーズを見ながら随所で述べてきたことですが、「維新」の「精神」というなら、それが「王政復古」「神武建国」「八紘一宇」の精神でもあったことも、同時に押さえておきたいところです。
日本は確かに科学的・合理的精神をもって台湾を統治し、数々の偉業を成し遂げました。しかし、そもそもそのような「統治」「偉業」を志した理由の根本には、「神武建国」「八紘一宇」という、ある意味「非合理」な理想主義がありはしなかったでしょうか?
こちらでも述べたように、日本が法制や技術を学んだ西洋諸国の科学的・合理的・功利的な「常識」からすれば、こんな「植民地支配」はありえないはずだったのですから……「支配」ではなく「統治」を志し、すなわち台湾を「植民地」ではなく「自国の一地方」として扱う、という、この根本方針をもたらした「精神」にも、注目すべきだと思うのです。

動画では「維新」「維新」と何度もくりかえされていますが……
そもそも「維新」は「革命」ではありません。
こちらなどでも述べた通り、
ある王朝が栄え、滅び、次の王朝が取って代わる。なぜそうなったのかといえば、古い王朝が腐敗し、「悪」になったので、新しいより良い王朝ができることを、天が命じたのだ、と、説明するのが易姓革命の思想です。
すなわち滅びた王朝は常に悪でなければならず、新しい王朝は常に善でなければならない。この思想的・政治的要請が何より優先されるのが歴代支那王朝の「歴史」であり、要するに、支那大陸の史書とは常に現王朝の存在を正当化するためのプロパガンダ以外の何物ではなく、事実などは二の次です
というのが「革命」だとすれば、事実を直視しない精神が「合理的・科学的」でありうるわけがありません。
結果、前王朝に合理的・科学的「成果」があったとしても、せっかくのそれを穴を掘って埋めて、自ら断絶を作りだしてきたのが歴代支那王朝なのですから世話はありません。
これに対して「維新」は「日々、維(こ)れ新(あらた)なり」という……統一王朝のいわば「新陳代謝」を意味するのであってみれば、革命のような断絶そのものがないのですから、前時代の「成果」は脈々と継承され、受け継がれていきます。
(支那大陸から伝わり、支那ではとうの昔に失われた「伝統」が、日本にのみ(完全に日本化されつつ)今も生きつづけている、などという事例は、枚挙に暇がありません)
「継続は力なり」とは個人のレベルにおいて言われがちですが……国家のレベル、文化・文明のレベルにおいてこそ、なお一層真実なのかもしれません。

近代日本の科学的・合理的精神に学べというのなら、その科学的・合理的精神をはぐくんだ「国柄」にも注目すべきではないでしょうか。
易姓「革命」の支那と明治「維新」の日本との根本的な違いを理解しておくことは、必要であり重要であるように思います。
posted by 蘇芳 at 15:55|  L 「忘れ去れた台湾史」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする