2016年09月08日

【動画】「お役所仕事の大東亜戦争」 第8回 先行公開!お役所仕事の大東亜戦争


チャンネルくららから「お役所仕事の大東亜戦争」第8回。



自虐史観は論外としても、聖戦史観も不十分、というのは、こちらでもこちらでもくりかえし述べてきたことですが。

しかし、困ったことに、歴史の追及は「学問」ですが、ファンタジーの創作は「娯楽産業」です。
国民を、耳に心地よい甘い「嘘」に誘導しようとする罠は、左側だけでなく、右側からも仕掛けられているのかもしれません(右翼の正体)。

「娯楽産業」の例を一つあげておくと、「ムルデカ 17805 [DVD]」という映画があります。
日本はインドネシアを独立させてやったのだという恩着せ史観で貫かれた映画で、一言でもこの映画の悪口を言おうものなら自称愛国保守が発狂するという代物ですが。。。。
スマラン事件の史実を歪曲している、困った映画でもあります。

スマラン事件とは何か?

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した」あたりを読むとわかりやすいと思いますが……
インドネシア独立を心底から支援していた日本兵を、当のインドネシア人が虐殺した、という救いようのない事件です。
このとき、虐殺されながら、なお、日本兵は、自らの血で、「インドネシア独立万歳(ハハギア・ムルデカ)」などの文字を書きのこした、とも、伝えられています。
なぜこんな悲劇が起きたのか? 裏で糸を引いていたのは共産党だと言われています。
日本の降伏、オランダの再侵略、という状況で、焦点になったのは、日本軍によるインドネシアへの武器供与ですが……意図的・組織的に武器供与を行おうとしていた日本に関して、共産党は悪意のデマをまき散らし、インドネシア人をして日本人を襲撃させるべく扇動した、とか。
つまるところ、日本を「砕氷船」として使い捨てる、例によって例のごとき、二段階革命の邪悪な教義です。

上の映画は、この事件を完全に歪曲しています。
「血文字」は登場します。
しかし、日本人を殺害した犯人は、インドネシア人でも共産党でもありません。
オランダ人です。
インドネシア人は、独立戦争の同志である日本人を救出しようとする役回り。
邪悪なオランダVS正義の日本・インドネシア、
あるいは、
邪悪な白人VS正義のアジア人、
という……
まことに単純素朴かつわかりやすい勧善懲悪の「娯楽産業」です。

なるほど、娯楽は面白いかもしれません。楽しいかもしれません。心地よいかもしれません。
しかしその娯楽に酔いしれる結果もたらされるのは、「アジア主義の神話による共産主義の真実の隠蔽」という、逆向きの歴史捏造以外の何物でもないのではないでしょうか。

動画の後半で言及されている特攻についてもそうですね。
これを金儲けの「ネタ」にした「娯楽産業」はいくつもありますが……

大西瀧治郎の苦渋の決断と自決を正当に評価した映画がいくつあるか、それどころか、最初の特攻が行われざるをえなかった文脈(「捷号作戦」)や、そもそもそれがレイテで行われたという史実そのものにさえ、誠実に言及している「娯楽産業」がいくつあるか……考えてみるのも一興かもしれません。
「統率の外道」を誰よりも排し、佐官級の部下たちの提案を却下しつづけていた大西が、それでもそれを行わざるをえない瀬戸際に追い詰められていった……その背景にあるものが、もしも本当に、動画の言うような、政府・省庁・大本営の「お役所仕事」だったのだとすれば、その「事実」は正しく認識されるべきでしょう。
お役所仕事の大東亜戦争
お役所仕事の大東亜戦争 [ 倉山満 ]