2016年06月08日

【動画】「みんなで学ぼう!日本の軍閥」第1話山縣有朋~日本軍閥のドン~


チャンネルくららから。



幕末~明治にかけては間違いなく偉い人だったでしょうし、共産主義を警戒していたというのは素晴らしいですが。
こちらで読んだ本の主張するところによれば、大正時代に政治屋・原敬と手を組んだころから、大陸に無駄な夢を見て深入りすることにもなったようです。
ただ、山縣に共産主義への警戒が強かったということなら、シベリア出兵の文脈は、わかりやすくなりますね。緩衝地帯・緩衝国家を作りたかったわけで、それをつぶしたのは共同出兵した「友邦」であるはずの米国だったことになりそうです。

「侵略」などという捏造を真に受ける必要はさらさらありませんが、日清戦争以後、日本が大陸や半島に介入しつづけたことは間違いなく、その動機の大きな一部分は、アジア主義の「理想」もあったかもしれませんが、それ以上に日本の安全保障、ロシア(後にはソ連)の南下を防ぐ緩衝地帯の設定、ということがあったのではないでしょうか。
ちなみに、満州に独立国を作るという構想は、石原莞爾のはるか以前、日露戦争当時に花田仲之助などによってすでに提唱されています(『時務対露卑見』)

日本の不幸は、大陸・半島の住民が、アジア主義の「理想」を共に語れるような真人間でもなければ、「国民国家」を形成できるような文化・文明も持ち合わせていなかったことだったように思います。

動画でも徴兵制と国民国家の話が出ていましたが……

日本は世界最古の「国民国家」です。
こちらで書いたように、詔勅を素直に読むならば、「八紘一宇」とは「国民国家」の理念ですし、こちらで見たように「日本書紀」そのものが「国民国家」宣言の書でもあります。
欧州が日本の認識に追いつき、国民国家を形成するに至るのは、もっとずっと後になってのことです。
アジアの中で唯一日本のみが「近代国家」の形成に成功した、と、よく言われますが、この西洋式の「近代国家」の根本的大前提は「国民国家」であることでもあります。単に科学・技術・制度を輸入すればいいというものではなく、形だけそれらを輸入してもまったく「近代化」できない野蛮国は現代でもいくらでもあります。
日本においてのみ、それらの「輸入」がスムーズであったばかりか、「近代国家」の形成まで「容易」だったのは、そもそもの初めから、日本が「国民国家」だったからではないでしょうか。もちろん、徳川の世を経たために、藩閥が形成されてはいたでしょうが、動画で見るような手段で「復元」することは可能でした。それは「国民国家」が、なじみのない舶来の新概念ではなく、元から日本本来の国柄だったからであるように思います。
要するに、日本においては、「国民国家」というものをわざわざ新しく作り上げるまでもなく、単に王政に「復古」すれば十分だったように思います。

この事情を別の言い方で表現するなら、日本に皇室があったからだ、ということになるでしょう。
「八紘一宇」はそもそも神武天皇のお言葉ですし、明治維新の精神はまさしく「神武創業」のそれでした。
天皇こそは国民国家・日本の中心、「国民」統合の象徴です(占領憲法の用語を使うのは抵抗がありますが、マッカーサーは昭和天皇の崇拝者としての一面もあり、天皇に関する一文の功罪は両面から見る必要があるでしょう。動画で言う軍事云々の件からすれば、戦後日本がいまだに滅んでいないことこそむしろ不思議ですが、それは皇室が護持されたことに大きく依存しているはずでもあります)。
そうした「国民」の核となるべきものを保有していない大陸その他の諸民族にとって、「近代国民国家」がほとんど不可能に等しい難事であることは、当然です。
アジア主義の理想主義者たちはそこを甘く見ていたのではないでしょうか……

国際政治の単位は「国家」です。
「民族」や「部族」が国連に加盟するということはありません。
単一民族国家というのも世界的には極少数派です。
民族・部族・派閥を超越した「国民」の形成が不十分なら、その「国家」は常に分裂の危機にさらされつづけます(反日勢力が「琉球」や「アイヌ」の歴史を捏造しつづける由縁です)。
また、民族・部族を超越するからといって、宗教や思想に「国民国家」の根拠を求めることも、原理的には背理です。
なぜなら、仏教・キリスト教・イスラム教・共産主義などは、国家さえも超越して「人類普遍」を主張するからです。ムスリムのナチュラルな侵略志向についてはこちらなどでも一言しましたが、要するにそれらは思想的世界征服を目論むグロ-バリズムの一種であって、「世界市民」の根拠にはなっても「国民」の根拠にはなりえません。むしろ「国家」「国民」を溶解させる弊害の方が強いのではないでしょうか。
部族や宗教にしかアイデンティティの根拠を持たない地域の「国々」が、欧米植民地帝国主義によって引かれたデタラメな国境線を、安定的に維持することができにくいのも、けだし当然かと思えます。

そういう意味では、皇室という、国家・国民の身の丈にあった思想的精神的支柱を2000年以上にわたって保持しつづけてきた、これこそは日本の最大の強みの一つであるように思います。
国民国家・日本を分断しようとする反日勢力の策動を断固粉砕しなければならないのはもちろん、「国民国家」の理念たるべき「八紘一宇」を際限なく拡大解釈してグローバリズムの亜種に堕落させるごとき思想的誤謬もまた慎まなければならないのではないでしょうか。
「八紘一宇」と共にあるべきスローガンは、「万邦共栄」「万邦共楽」であり、そこには「万邦」、すなわち日本と国柄を異にする他の国民国家の存在が大前提になっているのですから。
みんなで学ぼう日本の軍閥
日本の軍閥 [ 倉山満 ]